「テレビとネット、どちらを選ぶ」で8割は…米ツイッター利用者とメディア接触との関係
2010/05/19 19:30
アメリカの調査機関Edison ResearchとArbitronが提示した、2008年から2010年までの3年間、アメリカでの継続調査の結果をまとめたレポート「Twitter Usage In America」を元に、色々な角度からソーシャルメディアやツイッターのアメリカでの浸透度をかいま見る企画記事第四弾にして最後の回。今回は140文字以内で自己表現をするミニブログこと【ツイッター(Twitter)】の利用者と、さまざまなメディアへの接触に関するお話をグラフ化してみることにした。
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今調査は過去3年間に渡り、携帯電話や固定電話経由で電話による調査でアメリカにて行われたもので、有効回答数は1753人。年齢階層などは非公開だが、対象は12歳以上。
まずはツイッターの利用者がいかにインターネットから強い影響を受けているかが分かるグラフ。
↑ 次の媒体は自分の生活に大きな影響を与えているか
あるいは逆に、インターネットから大きな影響を受けているからこそ、ツイッターを利用している、と考えることもできる。「卵とニワトリ」の話ではないが、どちらが先なのかはあまり気にすることはない。
非常に興味深いのは次の項目。アメリカ人の平均的なライフスタイルをもかいま見ることができる。
↑ 毎日の消費時間(時:分)
アメリカにおけるテレビ視聴の傾向は以前【アメリカ人がいつテレビを見ているのかがひとめで分かる図】などでお伝えした通り。この結果の限りでは、ツイッター利用者はインターネットにも深い傾注をして、多くの時間もつぎ込んでいることが分かる。「いつ寝てるの?」という感もあるが、いわゆる「ながら族」的な利用スタイルであれば、さほど問題にはならない(テレビを見ながらネットにアクセス、ということ)。また、新聞離れは日本に限らないことも見て取れる。
ツイッター利用者のインターネット好きは次の項目にも表れている。
↑ ニュースを知りたい時、まず最初にどれを見る?(ツイッター月一以上利用者限定)
日本でも【新聞を読まない人の約7割「テレビやネットでニュースを得るから」】という話もあるほどで、ニュースソースとしてもインターネットを深く活用しているのが分かる。逆に考えれば、そういったライフスタイルだからこそ、ツイッターも利用しているのかも。
元々ソーシャルメディア利用者は情報に機敏な姿勢を取りがちだが(情報に機敏だからこそ利用している)、ツイッター利用者は特にその傾向が強い。商品提供側にとって気になる項目として、次の設問を挙げておく。
↑ ブランドや企業をソーシャルメディア上で追いかけてる?
他のソーシャルメディアと比べ、ツイッターは利用ハードルが低い。その効用はこんなところにも表れているというわけだ。
最後は究極の選択。
↑ 「もう二度とテレビを見てはいけない」「もう二度とインターネットにアクセスしてはいけない」どちらを選ぶ?(ツイッター月一以上利用者限定)
約8割の人が「テレビよりインターネットを残す」を答えている。調査母体全体の回答率が掲載されていないのが残念でならない。
一連の結果はあくまでもアメリカ国内での話だが、インターネット経由では無く電話経由の聞き取り調査なため、デジタルバイアスの少ない、非常に貴重なデータであることは間違いない。そして社会環境などの違いはあるが、日本を含めた他の国々でも似たような傾向が生じていることは容易に想像ができる。
なお今回は取り上げなかったが、元資料には他にも「高収入、高学歴の方がツイッター利用者が多い」「ツイッター利用者は流行に敏感で商品購入意欲も高い」などの話もある。所得水準が高い方がネット環境に浸透できる、色々な意味で余裕があるからなのかもしれないが、興味深い内容といえよう。
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