客単価は落ちたが客数増加で補完・マクドナルドの2010年4月売上は前年同月比でプラス0.3%
2010/05/11 05:08
[マクドナルド(2702)]は 2010年5月8日、2010年4月の営業成績を発表した。それによると売上高は前年同月比でプラス0.3%・既存店ベースでプラス0.2%となった。客単価の減少傾向は継続しているが、それを補ってあまりあるほどの客数増加が、売り上げを底上げしている(【発表ページ】)。
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↑ マクドナルド月次営業成績(前年同月比、2007年1月-)
リリースにもあるように客数の伸びは+3.5%と堅調な値を示している。客数は昨年8月からプラスを維持しており、4月においては100円メニューの「マックチキン」が貢献しているとのこと。また【日本人なら日本の味を!? 「マクドナルドの日本(ニッポン)の味」キャンペーンを開始】でも紹介したた「NEW てりたま モチモチバンズ」と「NEW ゴマえびフィレオ ごまごまバンズ」も売り上げに寄与。さらに子供向けのハッピーセット「ぜんまいざむらい」は大好評を博し、予定日より3日前に完売している。
一方で客単価は、単価の高い新商品の展開で一時期前年比プラスを見せる場面もあるが、全般的には他の小売業(コンビニなど)同様に低迷。2月は高単価な新商品(「Big America」シリーズ)で底上げがあったものの、全般的には厳しい状態が続いている。
グラフを見返すと分かるように、2007年以降は客数の増加傾向にブレーキがかかり、それが売上高の上昇に対する圧力にもなっている。そして2008年からは断続的に高品質・高価格な商品を展開し、売り上げをかさ上げする戦略に転じたようにも見える(2009年11月-12月に大きく客単価の数字が落ちているのは、この値が「前年同月比」であり、1年前の2008年11月-12月に「クォーターパウンダー」で高い値を示していたことが主要因)。
いずれにせよ、客単価の低迷(消費性向の低下、可処分所得の減退)の中で、客数が増加し、売り上げをキープしている状態は、同社が不景気に強い経営形態・業種であるとはいえ、「大健闘」と評せる。特にキャンペーンの打ちだし方も含めた新商品の展開スタイルは、多くの小売業にとって学ぶべきポイントを見出だすことができよう。
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