米テレビ保有世帯の平均台数は2.93台…アメリカ世帯のテレビ保有状況

2010/05/05 07:05

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米テレビ世帯【世帯当たりのテレビ台数】にもあるように日本では現在地デジへの移行期間の真っただ中にあると共に、放送内容や報道姿勢に対する猜疑感の高まり、少子化傾向、趣味趣向の多様化など複数の要因で、世帯当たりのテレビ台数は減少の一途をたどっている。一方アメリカでは【アメリカ人がいつテレビを見ているのかがひとめで分かる図】【アメリカで伸びる「テレビを観る時間」……レコーダーの普及、不景気と選挙が原因か】で触れているが、テレビ全体に対するニーズは横ばいかむしろ高まりを見せている。先日調査機関のニールセンが発表した【データ】は、アメリカの世帯でテレビが少しずつ、そして確実に深く浸透を進めていることが分かるものだった。今回はそのデータの一部を再構築しグラフ化してみることにする。



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↑ 世帯当たりの平均テレビ台数と、所有台数毎の世帯数比率(アメリカ、ニールセン調べ)
↑ 世帯当たりの平均テレビ台数と、所有台数毎の世帯数比率(アメリカ、ニールセン調べ)

あくまでもこれは「テレビ保有世帯に占める割合」であり、当然アメリカにもテレビを保有していない世帯は山ほどいる。ただ、全体に占める比率はやはり少数で、元記事の詳細データ(【該当データ、PDF】)によれば1970年ですら全世帯の4%、2010年では2%に過ぎない。

そしてグラフを見れば「1世帯当たりのテレビ保有台数」が漸増傾向にあるのは明らか。2007年の時点ですでに「3台以上テレビがある世帯」が「テレビ世帯全体」の過半数に達している。特に2010年は「1台、または2台」の世帯が45%もいるにも関わらず、平均台数が2.93台に達しており、「3台以上」の世帯の平均台数はどれくらいなのかと考えてしまう……と思ったが簡単な方程式で4.00台との答えを出せた。2009年における3.93台から増加しており、「3台以上の複数台数のテレビを持つ世帯」においても、テレビ数の増加傾向が確認できる。

日本とはまったく異なる傾向を見せるこのような状況は、もちろんテレビ番組の質や家族構成、趣味趣向などにもよるが、同時にテレビ放送の配信スタイルの違いも大きな事由となる。日本では【テレビ放送は本当に凋落の真っただ中なのか? 総務省データの衛星放送部分を見直してみる】などでも触れた衛星放送やケーブルテレビ放送はまだ二次的な立ち位置にあり、テレビ放送では地上波放送が主力。しかしアメリカでは各種ケーブルテレビや衛星放送による配信がメインで、地上波のみの受信世帯は2010年でテレビ受信世帯全体の9%に過ぎない(同一資料内から)。日本よりも視聴者が積極的に番組を選び、それゆえに番組提供側も視聴者の方を向いての番組作りが求められるようになる。

例えばこれから5年後、日本では地デジへの切り替えを果たした後、日米でテレビと家庭との関係はどこまで差が縮まり、あるいは広がっているのだろうか。興味深い話ではある。



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