アメリカの平均的な家族のお財布事情を箇条書きにしてみる

2010/05/05 12:25

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アメリカの家計先日別件でアメリカの財政関係をチェックしていたところ、興味深い図表を見つけた。多種多様な方面からさまざまな事象を図式化する「Visual economics」の記事なのだが、現在のアメリカにおける平均的な家族のお財布事情をさまざまな面から数字化・グラフ化したものだった。アメリカ全体の経済的な話は良く話題に登るが、世帯単位の様子はあまりニュースとしては登ってこない。良い機会なので今回はこれを抽出し、箇条書きにしてみることにする(【該当ページ】)。



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↑ The American Family’s Financial Turmoil
↑ The American Family’s Financial Turmoil

・銀行残高は3800ドル(36万円)。
・自宅の評価額は16万ドル(1520万円)。でもローンは9万5000ドル(900万円)。
・個人年金制度を利用している人は誰もいない(2世帯に1世帯の割合)
・半分の世帯は退職後の蓄えが3万5000ドル(330万円)しかない。
・投資信託や株式、債券などは保有していない。
・年収は4万3000ドル(410万円)。
・2200ドルのクレジットカードの支払いを清算できないでいる。
・就労者の4割は定年退職後の蓄えを行っていない(現在は、ということ)。
・1世帯あたりの負債は11万7951ドル(1120万円)。ホンダシビックの最新型なら7.5台が買える額。
・25%の人は定年退職後の蓄えがまったく無い。
定年退職予定期日を迎えた労働者の24%が退職を延期した。
・「定年退職後のための蓄えは十分にある」と回答した人は18%。
・アメリカ人個人の借金は総額2兆ドル(190兆円)。イギリスのGDPに相当。
・銀行口座が無い人は7.7%。ユタ州だけだと1.7%だがミシシッピ州だと16.7%。
・何か金銭的なトラブルが起きた時に対処するための蓄えをしている大人は4割未満

【日米の家計資産推移(2009年4Q分)】にもあるようにアメリカでは現金・預貯金で蓄財をする傾向はあまりないので、銀行残高が40万円も無いのは理解できる。住宅ローンと住宅の評価額も、日本と状況に代わりはないだろう。また、負債額も住宅ローンの分を考えればこんなものかな、というところ。

一方で定年退職後のための蓄えについては、アメリカにおいてもさほど準備が進んでいないことが分かる。ただ【4割強が老後難民予備軍…退職後の資金準備額、ゼロの人は44.3%・50代でも2割強】あたりを見ると、日本もあまり人のことは言えないな、というのが実感。

今後アメリカの経済情勢の変化で、これら「一般世帯像」がどのように変化していくことになるのか。非常に気になるところだ。


”アメリカには「雇用における年齢差別禁止法(ADEA:Age Discrimination in Employment Act)」という法律があり、定年退職制度が無い。1986年の改正で「年齢差別を禁止する」と改定。よってアメリカでは社会の仕組みとして、年齢差別禁止によって定年退職制度も廃止されている(【エイジ・フリーの法政策(経済産業研究所PDF)】)”……とのことですので、「定年」という表記を削除させていただきました。



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