自分の年金額を知っている人は52.0%、でも「十分な額」と思う人はどれくらい?

2010/04/21 19:30

このエントリーをはてなブックマークに追加
お財布事情フィデリティ投信は2010年4月13日、退職金と老後生活に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、自分の公的年金の給付額を知っている人は52.0%に留まっていることが分かった。さらに知っている人にその金額について尋ねると、年金だけで生活可能と回答できた人は12.7%でしかなかった。そして一方で42.6%は「生活できない水準」と答えており、先の【7割が「自分の退職後は今の高齢者よりもツラい生活」】にもあった将来への不安を裏付ける結果となっている(【発表リリース、PDF】)。



スポンサードリンク


今調査は2010年2月5日から15日にかけてインターネット経由で20歳から59歳の公務員・会社員に対して行われたもので、有効回答数は1万0976人。男女比は7730対3246、年齢階層比は20代2464人・30代2937人・40代2827人・50代2748人。調査そのものはIpsos日本統計調査が実施した。

【「ねんきん定期便」の郵送、3月26日から開始】【年金支払履歴が到着しました】などにもあるように、「ねんきん定期便」をはじめとする公的文書で個人個人が自分の年金給付見込み額を知ることができるようになった(正確には「50歳未満は”加入実績に応じた”年金見込み額」「50歳以上は現状の制度に”引き続き加入した場合の”年金見込み額」)。しかしそれにも関わらず、今回の調査では「認識している」人は52.0%でしかない。

↑ (自分の)公的年金の給付額を知っているか
↑ (自分の)公的年金の給付額を知っているか

「ねんきん定期便」そのものの効果はあるものの、若年層ほど認知度が低いのが気になる。まだ先の事なので、あるいは「どの道書いてある通りの額が、自分が受け取る時期に満額受け取れるとは思えない」というあきらめの気持ちで、受領はしたがよく目を通していない可能性は十分に考えられる。

一方、あと10年くらいで受取を開始する50代になっても、3割が「知らない」という状態。これはこれで大きな問題といえる。公的年金の受給予定額は今後の生活を設計する際に必要不可欠なのだから。

「足りるわけないじゃん!」
それでは給付額を把握している人は、その額についてどのような感想を抱いているだろうか。年金は基本的に「最低限度は給付だけで生活できる額を」が基本理念のはずではあるが、その額だけで「生活が十分に可能」と認識している人は12.7%に過ぎなかった。

↑ 退職後の公的年金の金額についてどう思うか(知っている人限定)
↑ 退職後の公的年金の金額についてどう思うか(知っている人限定)

逆に「かなり生活が苦しくなる」42.0%・「年金だけでは生活できない」42.6%となり、あわせて84.6%が「十分な生活はできない」と認識している計算になる。

属性別にみると20代はやや楽観視する向きがあるものの、男性30代以降は一様に厳しい意見を持っている。一方女性は男性以上の辛さを認識しており、さらに年齢を経るにつれてその厳しさはます傾向を見せている(50代でやや持ち直しているが、原因は不明)。



【4割強が老後難民予備軍…退職後の資金準備額、ゼロの人は44.3%・50代でも2割強】でも説明しているように、自分自身の将来設計・ライフプランを作ることで、お金の面での先行き・見通しを確かなものとすることができる。公的年金だけでは不足しているのが確かであると認識できるのなら、「それではどんな形で蓄財をして備えねばならないのか」という見通しを立て、それに向けてお金を貯めたり増やしていけば良い。そうすれば、不安感を解消することができる。

まずは正しい情報に基づいた正確な現状認識が大切。そして事態を把握したら対処法を考え、判断し、そして実行していかねばならない。将来のお金の問題は、誰にも必ずやってくるのだから。



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|X(旧Twitter)|FacebookPage|Mail|RSS