年収で大きく変わる「不安感」・まずはお金で、それから健康!?
2010/04/20 05:03
フィデリティ投信は2010年4月13日、退職金と老後生活に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、退職後の生活でもっとも心配な点は「定年退職後の生活費が足りなくなる」ことだったものの、現在の年収によって大きな違いが生じていることが分かった。年収が多い人ほど生活費への不安が少なくなり、代わりに自分自身・家族の健康への不安が高まる傾向が確認できる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2010年2月5日から15日にかけてインターネット経由で20歳から59歳の公務員・会社員に対して行われたもので、有効回答数は1万0976人。男女比は7730対3246、年齢階層比は20代2464人・30代2937人・40代2827人・50代2748人。調査そのものはIpsos日本統計調査が実施した。
先に【退職後、「一番心配」何だろう? 健康よりも「生活費不足」】で触れたように、退職後の生活でもっとも心配な点は「定年退職後の生活費が足りなくなる」で全体では57.8%。年齢階層別では高齢者がややお金への心配が減少するものの、ドラスティックな違いは見られない。
↑ 退職後の生活でもっとも心配な点(一部概算・再構築)(再録)
それでは「現在の年収」別に見てみた場合どうなるのだろうか。やはり手元に入るお金の額の違いで(蓄積されている・蓄積できる資産も異なってくるから)、将来に対する不安要素の順位も変わるのだろうか。
↑ 退職後の生活でもっとも心配な点(年収別・一部概算・再構築)
ご覧の通り、そして推測通り、「年収が高い人ほど退職後の生活費不足への心配が減少」「健康や社会へのつながりの希薄化など他項目への心配が増加」する傾向が見られる。いずれの項目も「まったく心配でない」というわけではなく、現在の収入でお金に関する見通しが変わり、それぞれの不安項目へのウェイトも変わってくるということ。
この結果を見ると
・年収1500万円層まで……生活費が一番不安
・年収1500万円以上……自分自身や家族の健康が不安
※ただし2000万円以上になると、健康ですらお金である程度「なんとかなる」と考えるようで、健康への不安が低下する
などの傾向が見て取れる。言葉通り「現金な話」な気がするが、心境的な面ではこれもまた現実といえる。ただし現状では上記グラフの左から2つ目の項目までに収まる人が約6割を占める現状(【前年比-1.9%の556万2000円・6割以上が平均所得以下……2007年の平均所得額発表】)を考えれば、やはり多数の人の悩みは「将来の生活費」であることに違いはないのもまた事実ではある。
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