退職後、「一番心配」何だろう? 健康よりも「生活費不足」
2010/04/18 07:20
フィデリティ投信は2010年4月13日、退職金と老後生活に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、退職後の生活でもっとも心配な点は「定年退職後の生活費が足りなくなる」ことだった。全体では57.8%の人がその点で不安を抱えている。また、大きな支出になるであろうと想像できる項目としては約三分の二が「医療費」を挙げており、健康問題がお財布事情に大きく影響するのが想定されていることがうかがえる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2010年2月5日から15日にかけてインターネット経由で20歳から59歳の公務員・会社員に対して行われたもので、有効回答数は1万0976人。男女比は7730対3246、年齢階層比は20代2464人・30代2937人・40代2827人・50代2748人。調査そのものはIpsos日本統計調査が実施した。
退職後のお財布事情が非常に厳しくなるのを多くの人が想像していることは、【4割強が老後難民予備軍…退職後の資金準備額、ゼロの人は44.3%・50代でも2割強】などでも明らかにされている。それでは個人個人が、退職後の生活でもっとも心配だと思う点は何だろうか。色々と選択肢が用意されていたが、やはりもっとも多くの人が選んだのは「定年退職後の生活費が足りなくなる」ことだった。過半数、6割近くの人が回答している。
↑ 退職後の生活でもっとも心配な点(一部概算・再構築)
歳を経るに連れて少しずつ「定年退職後の生活費が足りなくなる」が減り、その分「自分自身や家族の健康」への数字が上がってくる。これは実際に退職後の資産を貯めている人が不安感を減らしているのが要因と見てよい(先の記事にもあるように、歳が上の方が蓄積資産は多い)。いずれの項目も心配には違いないが、相対的な重みが変わってくるということ。
「生活費が足りなくなる」とあるが、それでは具体的にはどのような出費が予想されるのか。「医療費」を想定している人がもっとも多く、7割近くに達している。
↑ 退職後の生活で大きな支出は何か(複数回答)
【孫へのこづかい・医療費負担……高齢者世帯の生活像】や【年金生活をしているお年寄り世帯のお金のやりくり】に、高齢者世帯の支出の実態がグラフ化されているが、それを見る限り、一番大きな支出は食費、次いで交際費などがついている。医療費は確かに通常世帯と比べれば大きめだが、ここまで心配されるほどのものではない。
この差異の原因としては、「今後」医療費がかさ上げされることや、自分自身に対する健康への不安が大きいことが想像される。逆にいえば「今から」健康に十分以上に留意することで、この不安感を少しでも解消できるはずなのだが、どうだろうか。
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