男は自分のブログや日記、女は直に・ケータイメールで…情報伝達手段の違いを探る
2010/04/19 12:05
【NTTドコモ(9437)】の100%子会社のドコモ・ドットコムは2010年4月15日、コミュニティサイトの利用動向調査の結果を一部公開した。それによると調査母体のうちコミュニティサイト上で得た情報を他人に伝達するとした22%において、その情報を伝達する手段としては「直接会って話す」とする人がもっとも多く60.8%に達していることが分かった。男女別では男性が女性と比べて自分のブログなどへの書き込みで伝える場合が多く、女性は男性と比べると直接会う・ケータイメールを用いる場合が多いなど、属性によって大きな違いがあることが見えてくる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2009年12月3日から6日にかけて、第三世代携帯電話を所有する13歳以上のうち、1か月以内にmixiやGREE、モバゲータウン、アメーバブログ、FC2ブログ、魔法のiらんどのいずれかのコミュニティサイトを利用した経験がある人に対して、インターネット(パソコン)経由で行われたもので、有効回答数は2200。男女比は1099対1101。機種区分はNTTドコモユーザー833人、auユーザー742人、ソフトバンクモバイルユーザー625人。
本調査別項目で、パソコンや携帯電話などのコミュニティサイトで得た情報を、他人に伝えるとした人は22%に登ったとの結果が出ているという。そこでその22%に対し、どのような手段で他人に伝達するかを複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの人が用いる手段・方法は「直接会って話した」だった。
↑ コミュニティサイト上で触れた情報の他の人への情報伝達手段(全体のうち「他の人に伝達している」と回答した22%限定)(回答数30以上のみ)
トップこそアナログ式の手段だが、それ以降は「ブログの書き込み」「ケータイメール」「引用」「コメント」などデジタル手段が続く。ただしデジタル・アナログを問わず、手段の上位には「自分が主体」となる手段がついており、「他人が主体」の場で情報を拡散する手段(例えば「他人の」ブログにコメントを記する)は少数派となっている。
●男女・年齢階層別で見ると……
これを属性別にみると、実に興味深い傾向が確認できる。まずは男女別。
↑ コミュニティサイト上で触れた情報の他の人への情報伝達手段(全体のうち「他の人に伝達している」と回答した22%限定)(回答数30以上のみ)(男女別)
順位そのものはさほど違いは無いが、男女それぞれの利用率には大きな差異が見受けられる。何よりも「直接会って話した」がずば抜けて女性の方が多いのが目立つ。そして女性の方が利用率が高いケータイメールもしかり。これは【「夫よりまずお友だち」女性の口コミパワー最強論】や【女性がクチコミ大好きな理由とは?】、【クチコミの影響度、男性は「情報」・女性は「感性」を重視】にもあるように、女性の方が直接対話する口コミを好むこと、そしてそれ自身を楽しみとする傾向が強い事によるもの。しかし「直に会って話す口コミ」をメインの手段とすることで、「情報伝達スピードは男性よりも女性の方が劣る」という傾向が見受けられる。ただし割合自身は男性よりも多いので、「スピードは遅いものの拡散ボリュームは大きく・広くなる」という傾向があるのも理解できる。
一方で掲示板やブログへの書き込みなどでは、男性の方が女性よりも値が大きい。冒頭でも触れたように、「男性はデジタルメイン、女性はデジタルとアナログの併用」というパターンが見えてくる。
年齢階層別にみると、男女別とはまた違った傾向が確認できる。
↑ コミュニティサイト上で触れた情報の他の人への情報伝達手段(全体のうち「他の人に伝達している」と回答した22%限定)(回答数30以上のみ)(年齢階層別)
若年層は高齢者と比べると自分で直接会って話したり、自分のブログや日記など「自らの手で・自らの場で・主導的に」語る場合が多い。一方歳を経るにつれて若年層と比べ、他人のブログでのコメントや掲示板など「他人の場で・控えめに」語る場面が多くなっている。若年層の方が強い自我を持つ、あるいは高齢者の方が一歩引いた考えの上で自己主張をしていると考えることもできるが、いずれにせよ興味深い。
また、「メール」に限ってみると、携帯電話のメール利用は年齢でほとんど変化が無く、パソコンはむしろ高齢になるほど利用頻度が上がる。情報伝達の手段としてパソコン・ケータイを問わず、高齢者がメールを重要視しているようすもうかがい知ることが出来る。
「デジタル時代におけるデジタル世界の情報伝達」と一言でまとめても、その中身は手段や属性によって多種多様。それぞれの事情やタイムラグの元で情報は伝えられ、拡散していく。その拡散具合を完全に把握することは不可能だが、属性を区切ることである程度概要をつかみ取ることは不可能ではない。今件データはあくまでも一例だが、納得がいく面が多いのも事実。
特にコミュニティ系のサイトやサービスを手掛けている人(コメント機能付きのブログも含む)にとっては、今件データはきっと役に立つはずだ。
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