電子書籍を使いたい最大の理由は「保管場所を取らない」、それでは使いたくない人の理由は……?

2010/04/12 07:04

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書籍ライフネット生命保険は2010年4月8日、電子書籍に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、今後も電子書籍を利用したいと考えている人は37.2%で、利用したくない人の30.5%をやや上回っていることが分かった。利用したい人の最多理由は「保管場所を取らない」で8割を超えており、一方で利用したくない人の最多理由は「開きたいページや読み返したいページをすぐに開けない」という、物理的な仕様上の壁がハードルとなっていることが確認できる(【発表リリース】)。



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今調査は2010年2月26日から3月1日にかけて携帯電話を使ったインターネット経由で25-44歳の有職者に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女比は1対1、年齢階層比は25-34歳と35-44歳で均等割り当て。調査はネットエイジアが担当した。

日本でも発売・普及するであろう電子書籍機能も持った情報携帯端末iPadやKindle、そして既存の携帯電話やパソコンなどでも利用できる電子書籍。昔と比べれば随分とツールや対応書籍も増えたが、今後も電子書籍を利用したいと考えている人はどれくらいいるだろうか。今調査母体では積極、消極派を合わせて37.2%の人が「利用したい」と考えていることが分かった。利用したくない人は30.5%。一方でどちらとも言えない人は32.3%と、世間一般への浸透、印象がまだ固まっていないこともうかがえる。

↑ 電子書籍の今後の利用意向
↑ 電子書籍の今後の利用意向

全体の男女別ではほぼ変化が無かったのでグラフでは省略したが、年齢階層別で見るとやはり若年層の方が利用意向が強い。また、若年層では男性、中堅層では女性の方がより強く利用したいと考えてる傾向が見えるのは興味深い。

それではなぜ利用したい、利用したくないのか。「利用したい」「利用したくない」それぞれの人たちに、その理由を複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。「利用したい」人は「保管場所を取らない」、「利用したくない人」は「開きたいページや読み返したいページをすぐに開けない」がトップとなった。

↑ 電子書籍を利用したい理由(複数回答、利用したい人限定)
↑ 電子書籍を利用したい理由(複数回答、利用したい人限定)

↑ 電子書籍を利用したくない理由(複数回答、利用したくない人限定)
↑ 電子書籍を利用したくない理由(複数回答、利用したくない人限定)

「利用したい」人の理由は大体上位5位くらいまでで固まっている。そしてこれらは何も電子書籍に限った事では無く、デジタル系メディア全体におけるメリットでもある。一方で「利用したくない」人の理由はトップですら43.0%、「その他」が9.8%など分散傾向にあり、多種多様なこだわりから否定的意見を持っているのが把握できる。



電子書籍を読む環境の整備、インフラを全世界的に揃えることが難しい状況、紙媒体の便利さ・汎用性を考えると、紙媒体が無くなることはありえない。また世界規模で考えれば、紙媒体はむしろこれから普及数を押し上げていく可能性(新興国などで)をも秘めている。

他方、「利用したくない」人の理由を見直すと、「電子書籍である以上仕方がない」項目も多いが、改善の余地がある部分もいくつか見受けられる。これらの点を良くすることで、電子書籍はより多くの人に受け入れられるに違いない。



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