iPadはマンガ、Kindleは……!? iPadとKindle(キンドル)、閲覧したい電子書籍で異なる傾向が
2010/04/09 05:17
ライフネット生命保険は2010年4月8日、電子書籍に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、アップル社のiPadとアマゾン社のKindle(キンドル)それぞれの端末を使って読みたい電子書籍のジャンルに、異なる傾向があることが分かった。iPadは雑誌やコミック、アニメなどの「エンタメ系」、Kindleは文学書や実用書などの「真面目系」の書籍が好まれている(【発表リリース】)。
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今調査は2010年2月26日から3月1日にかけて携帯電話を使ったインターネット経由で25-44歳の有職者に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女比は1対1、年齢階層比は25-34歳と35-44歳で均等割り当て。調査はネットエイジアが担当した。
【iPhoneが躍進・DSやPSP が足踏み状態、そしてiPadも参入……変化を遂げる米携帯ゲーム市場】などで触れたiPhoneや先日アメリカで発売されたiPad、そしてアマゾン社のキンドル(Kindle)は元々電子書籍を展開する端末として注目を集めている。日本ではiPadも近々発売予定であるし、キンドルは現状では未定だが事実上発表までカウントダウン状態にあると見ても良い。閲覧用の端末が多様化し機能も充実するにいたり、紙媒体市場が日々減退していくことと合わせ、日本でも電子書籍がこれまで以上に注目されていることは間違いない。
そこでiPadとキンドルのそれぞれで、閲覧したい電子書籍のジャンルを複数回答で尋ねたところ、iPadでは雑誌・コミックが30%台で上位につくいっぽう、キンドルでは文芸書・書籍が30%でトップの位置を占めるという、異なる傾向を見せた。
↑ iPadもしくはKindleで閲覧したい電子書籍のジャンル(複数回答)
・Kindle……「文芸書・小説」「ビジネス書・実用書」
冒頭で触れているように、iPadはその画面の大きさや、カラフルなイメージが強いためか、エンタメ色の強いジャンルの書籍に食い付きが良い。特に「写真集」「アニメ・ゲーム」でKindleの約2倍ほどのニーズを集めていることが特徴的。一方でKindleではどちらかといえばビジネス色の強い「真面目系」書籍の需要が高いのが分かる。それぞれの機種の特性・機能による面も大きいが、それ以上に機種毎のブランディング戦略がうまく行っている感もある。
他方、両端末においても4割強の人は「この端末は利用したくない」と答えている。気になる人もいるだろうが、同調査別回答で「これまでに電子書籍を(有料・無料を問わず)利用した経験が無い人は45.6%」という結果が出ているので、元々性質的に電子書籍を嫌う人が「読まないのだから端末も要らない」と選択したと考えるのが妥当。
日本では出版社の「思惑」や既存媒体との「しがらみ」が欧米以上に強く、また特殊な流通機構を用いていること、さらには日本語の「2バイトコード問題」もあり、電子書籍やその読み込み機となる電子端末の普及が足踏み状態にある。あるいは携帯電話という既存代替メディアも普及・ニーズ浸透が遅れる一因の可能性は否定できない。しかしその携帯電話の普及ぶりを見る限り、一度「タガが外れる」ことにでもなれば、爆発的な普及の動きを見せることも期待できる。
両端末とも日本ではまだ未発売だが、今後どのような展開を見せるのか、注意深く、そして胸ときめかせながら注目していきたいところだ。
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