「百貨店で買わなくなったもの」トップは婦人服・紳士服
2010/04/07 12:00
マイボイスコムは2010年3月19日、百貨店の利用に関するアンケート調査の結果を発表した。それによると調査母体のうち百貨店利用者においては、百貨店で購入するのを止めて他の店舗などで買うようになった品物のトップには「婦人服」がついた。次点で「紳士服」がつくなど、本来百貨店の得意分野であった衣料品分野からの顧客離れがあらためて確認できる(【発表リリース】)。
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今調査は2010年3月1日から5日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万3858人。男女比は46対54。年齢階層比は10代1%・20代13%・30代34%・40代31%・50歳以上21%。今件対象の「百貨店」は、当サイトで業界団体発表の売上高を定期更新している「チェーンストア」(スーパーやデパート)と比べると、「百貨店」か「デパート」の違いがある。しかし実際には、表記上の違いでしかないと見なしてよい。具体的には「日本チェーンストア協会に加盟している大規模店舗で展開する総合小売業者がデパート、日本百貨店協会に加盟している大規模店舗で展開する総合小売業者が百貨店」という程度のものなので、同一視して問題ない。
さてその百貨店だが、経済産業省のデータによれば、衣料品の売り上げが大きく落ち込んでいるのが分かる(【百貨店やスーパーの分野別売上高推移(2010年2月版)】)。
↑ 百貨店・スーパーの主要分野別売上推移(年ベース、前年比、既存店)(再録)
その動きを再確認できるのが今回の調査結果項目。調査母体のうち半年に1回程度以上百貨店を利用する人は66.6%。それ以外は百貨店に対して「ほとんど行かない」「利用したことが無い」と答えている。その66.6%の人、かつて百貨店で購入していたがそれを止め、他の店舗で購入するようになったものを複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの人が答えた項目は「婦人服」の22.5%だった。ほぼ同数で「紳士服」が21.0%を見せており、本来百貨店が得意分野だったはずの項目で、百貨店無離れが起きているのが分かる。
↑ 以下の商品の中で、百貨店で買うのをやめて他の店舗などで購入するようになったものはありますか?(百貨店利用経験者限定)(複数回答)
婦人服・紳士服以外にも、「書籍・文房具」や「ギフト・贈答品」「子供服・ベビー用品」など百貨店での購入が容易にイメージできるもの、そして同時に「現在」ではそれらの売り場が閑古鳥状態なのが確認出来る品々が上位についている。
意外なのは現在百貨店やデパートにおいて数少ない人気コーナーの商品の一つ、「生鮮食料品」が8.9%と比較的高い数字を見せていること。この分野でもついに「動き」が見え始めるのか、と心配にすらなってくる。逆に「特にない」(百貨店での買い物はこれまで通りに続けている)という回答37.3%が頼もしくすら見えてくるほどだ。……逆にいえば約6割は「百貨店での買い物を止めて他店舗で購入するようになった商品がある」という計算になるのだが。
先に参考例として挙げた、経済産業省の「百貨店などの分野別売上高推移」は大体半年ごとに更新データを取得して記事にする予定。次は夏か秋口ぐらいになるだろう。その際には少しでも数字の改善を見届けたいものだが、月次報告を見る限り、それも難しそうだ。
本来一番の売りであるはずの商品たちが「他の店で買うようになった」品目の上位に来ているあたり、抜本的な対策が求められている感が強いのだが、どうだろうか。
■関連記事:
【百貨店やスーパーの分野別売上高推移(2010年2月版)】
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