「若干名って何人?」新卒者が採用活動で情報公開を求める内容、トップは「採用人数」
2010/04/06 05:06
インターネットを活用して新しい生命保険サービスを提供するライフネット生命保険は2010年3月30日、新卒者の就職活動に関する意識調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、採用活動の際に企業に公開してほしい情報のトップには「採用人数」がついた。47.3%と半数近くの人が「具体的な採用人数を知りたい」としている。男女別に見ると女性の場合は産休の利用状況や女性社員の比率など、女性ならではの情報を強く求めているのが分かる(【発表リリース】)。
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今調査は2010年2月25日から3月2日にかけて、2011年4月に新卒社会人として働き始める予定の学生に対して、携帯電話経由のインターネット調査によって行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1。調査そのものはネットエイジアが担当している。
企業側が求職者に提供する情報は出来るだけ細かくていねいにが原則。いい加減、大雑把なものは求職者側が避けてしまうからだ。しかし有効求人倍率が1倍を切る昨今においては、企業の中には「多くを語らず」的な姿勢を決め込むところも多い。それでも求職者が集まる世相ならではの状況ともいえる。
そこで「企業側にはどんな情報を公開してほしいか」について尋ねたところ、もっとも多くの意見を集めた項目は「採用人数」だった。
↑ 採用活動について、企業に情報公開してほしいこと(3項目までの制限回答形式)
企業の中には「何人」と明確な数字を提示するところもあるが、「若干名」という表記も少なくない。「若者を千人も取るのか」という冗談はさておき、「本当に取るつもりあるの?」「一人取ったらそれでおしまいじゃないの?」という求職側の不安・不信感をあおる表記には違いない。
次いで多いのは「募集職種」。逆説的に「何の職種を応募しているかも明記しないような企業に就職活動をするのはいかがなものか」という感もあるが、それを言っている場合ではない、ということなのか。
これを男女別に見ると、男性と比べて女性は「女性ならでは」の項目で特に高い要望率が見られる。
↑ 採用活動について、企業に情報公開してほしいこと(3項目までの制限回答形式)(男女別)
「採用人数」や「募集職種」では男女共にほぼ変わらず高い値を示している。一方で「人事担当の面接での説明内容」「産前産後休暇の活用事態」「女性社員比率」などは女性が男性よりかなり高い値を見せているのが分かる。「人事担当の面接での説明内容」は女性が特にいやがる「圧迫面接」を敬遠してのものと容易に想定ができるし、後者二つは「面接の時点で聞くのも『入る前からそんなことを聞くのか』とマイナス評価されるかもしれない……」という女性ならではの疑問点における本音の部分が出ている。
今回挙げられた項目の中には、企業サイドの立場で考えれば、現状のようなあいまいな情報、非公開も仕方がない場合もある。例えば「採用人数」を「若干名」とするのは「基本は一人だが『一人』と書くと競争倍率が高いと思われ敬遠なされるかもしれないし、もし優秀な人材が複数現れた場合に対応しにくい」という企業側の配慮による場合もありうる。また、情報としては存在しても公開できない類のものも無いとは言い切れない。
一方で「平均年齢」「採用フロー」「女性社員比率」などは容易に公開できる類のもの。企業のウェブサイトなどに明記しておくことで、求職者の情報ニーズに応えるのが企業側の務めと言える。
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