「なぜ不採用!?」就職活動で企業に望むことのトップは「不採用の理由を教えてほしい」
2010/04/05 06:31
インターネットを活用して新しい生命保険サービスを提供するライフネット生命保険は2010年3月30日、新卒者の就職活動に関する意識調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、企業の採用活動で望むことのトップには「不採用の理由を教えてほしい」がついた。全体で42.5%が同意を示している。男女別で見ると女性は男性と比べて、「就職活動をする機会を与えてほしい」類の項目に強い要望を持っていることが分かる(【発表リリース】)。
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今調査は2010年2月25日から3月2日にかけて、2011年4月に新卒社会人として働き始める予定の学生に対して、携帯電話経由のインターネット調査によって行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1。調査そのものはネットエイジアが担当している。
【職種別有効求人倍率(2010年1月更新版)】などからも分かるように就職戦線状況が厳しい昨今において、就職活動はこれまで以上に企業側が有利な立場にある。それだけに就職活動をする・した新社会人にとっては、色々と不信・不満に思うことも少なくない。そこで採用活動について企業側にどんなことを望むのか、3項目までの制限回答形式で尋ねたところ、もっとも多くの人の同意を得られた項目は「不採用の理由を教えてほしい」だった。42.5%と半数近くに至っている。
↑ 採用活動について企業に望むこと(3項目までの制限回答形式)
採用されれば何の問題もないが、不採用の場合は「なぜ自分が落とされたのか」が非常に気になる。資格や技術の面で問題があったのか、面接の際に不手際をしたのか、それとも自分よりももっと優れた人が採用されたのか。今後の自分の反省材料としても理由を聞きたいところだが、答えてくれる企業はほとんど無い。
またこれと類似する回答として「採用の基準を明確にしてほしい」が第二位・39.7%とほぼ同数を占めている。どうして自分が落とされたのかも分からずに「今後のご健闘をうんちゃら」な手紙一通で済まされたのでは、反省のしようもないというもの(もっとも企業側では下手に本音をもらして訴訟リスクを負いたくないという本音もある)。
トップと第二位における、応募者側の不信感が具体的に現れているのが第三位の「学校名や学部名などだけで採用の足切りをしないでほしい」。こちらも企業側としては安全策・確率論の問題で実施していることが多いが、足切りすら明示されていない場合には「きっと自分は足切りにあったんだ」と思いこみ、トップや第二位の理由にもつながる、と考えれば納得がいくというもの。要は「ちゃんと自分の実力を観て、それで判断してほしい」という心の訴えが現れているわけだ。
これを男女別で見ると、女性は男性と比べて「まず応募する、理解する機会を与えてほしい」、つまり採用か不採用かの判断以前のハードルを越えさせてほしいという、切実な意見が多いのが分かる。
↑ 採用活動について企業に望むこと(3項目までの制限回答形式)(男女別)
「説明会に参加出来ない女性が多い」のは、企業側の用意の都合もある。とはいえこれだけ男女で差が出ているところを見ると、単純に企業の用意不足というより、積極的に説明会などに参加する(=就職難のためにあちこちの企業にアプローチをかける)女性が増えたと考えることもできる。
それだけに女性の「もっと多く就職活動をする機会を与えてほしい」という訴えの声が、このデータからは聞こえてきそうですらある。
【大学生の1月末時点での就職内定率は80.0%・前年比6.3ポイントのマイナス】にもあるが、今年(2010年3月末までの2009年度)は去年以上に就職が厳しい状況。今年度は各種状況を見るに、さらに厳しさを増すものと想像される(それにしては昨年夏を境に批判報道が少ないのはなぜだろう)。
企業側も色々厳しいものはあるが、できるだけ求職者の意見に耳を傾けて欲しいものである。
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