冬のボーナス、1990年以来初の40万円割れ・前年比でマイナス9.3%に
2010/03/31 19:30


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発表データによると、2009年11月-2010年1月の賞与(「特別に支払われた給与」のうち賞与として支給された給与を特別集計したもの)は前年比9.3%減の38万0258円。産業別では電気・ガス業がもっとも金額が高く81万8923円、低い額は飲食店・宿泊業の6万7402円となっている。もっともこれは、人件費の抑制傾向に加え、非正規労働者の比率(非正規労働者は賞与が低い、あるいは無いことも多いため、それらの人たちが多い産業では必然的に賞与の平均額も落ちる)も多分に影響している。

↑ 2009年年末賞与支給状況(事業所規模5人以上、円)
これを「きまって支給する給与」の何か月分に相当するか、昨年末と比べた変化率で見ると次のようになる。平均では約1か月分という計算だ。また、「飲食店、宿泊業」では単純に賞与が下がっただけでなく、非正規労働者の割合が急速に増加した可能性を示唆している。

↑ 2009年年末賞与支給状況(事業所規模5人以上、か月分)

↑ 2009年年末賞与支給状況(事業所規模5人以上、前年比%)
なお、「か月分」「前年比」共に「複合サービス業」の値が抜きん出ているのが確認できる。この「複合サービス業」とは、郵便局内の郵便事業・郵便貯金・簡易保険、農協などを指す。
最後に、1995年以降の賞与(夏・年末)の前年比の推移をグラフ化したのが次の図。少なくともこの15年間は「上がる時はちょっぴりと、下がる時にはグイグイと」いう様相であることや、2009年は夏・冬共に賞与が大幅に減少したことが改めて確認できる。

↑ 賞与前年比推移(事業所規模5人以上)
給与所得者にとって賞与は「まとまった可処分所得」が入る数少ない機会であり、子供の世界で例えるなら「お年玉」に相当する。月次の収入が落ち込む中で数少ない消費底上げの要因の一つである賞与が絶対額・前年比共に大きく下がったことを受けて、消費性向はこれまで以上に冷え込むことが懸念される。
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