長旅の疲れも吹き飛ぶ、冷涼感あふれる手荷物受け取り場
2010/04/03 12:05


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↑ 流れるプールです-いすい、と男女が泳いでいるように見える手荷物運搬コンベア
これはアメリカのミシシッピ州にあるガルフポート=ビロクシー国際空港(Gulfport-Biloxi International Airport)で2009年10月に展開されたもので、利用客(特にリピーター)を少しでも増やすためにと空港側で用意したもの。飛行機の長旅で疲労の溜まったお客が手荷物を受け取る際に、少しでもさわやかな気分になれるよう、ベルトコンベアに手が加えられた。
具体的には写真にあるように、灼熱の太陽が降り注いでいるような、水のきれいなプールを模したペイントが施された。単に水だけなら「ああ、水が流れてるっぽいね」「用水路みたいだな」で終わってしまう。しかしここに数人の「泳いでいる人」を加えることで(もちろん本物では無く写真によるもの)、「流れるプール」であることが強調される。

↑ プールの中にどっぷりとつかり、快適な泳ぎを楽しんでいるようす……に見える
それだけでなく、それらの「泳いでいる人」をお客一人ひとりが自分自身に投影し、「いいね……プールでこんな風に泳いで、リラックスしたいね」とイメージさせてくれる次第。心も身体も疲れ切った、飛行機から降り立った直後のお客たちの心も、つい和んでしまうというもの。実際このベルトの装飾で、ベルトコンベアを利用するお客たちの反応が明らかに好転したという話だ。
ガルフポート=ビロクシー国際空港には(他の空港同様に)利用客の関心を集めたり疲労を少しでも軽減してもらえるよう、美術品の展示なども行われている。ところがそれらは「その場所に行かないと」堪能することができず、本当に疲れている人はわざわざそこまで足を運ぼうとは思わないわけで、半ば本末転倒ともいえるかもしれない。しかし今回の「手荷物コンベアの装飾」は、利用客のほぼすべてが通過・利用する場所であり、多くの人に「和み」を体感してもらえることになる。
ベルトコンベアそのものと、手荷物受取場、それぞれの特性をうまく活用した、実に巧みな手法といえよう。
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