【更新】ケーブルテレビやクーポンが伸びて、その他は……アメリカの広告事情
2010/03/22 19:35


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発表されたデータを元に、2009年における前年(2008年)との広告費推移をメディア別にグラフ化したのが次の図。

↑ 2009年度アメリカのメディア別広告費用前年比増加率(ニールセン・カンパニー調査)
前年比プラスとなったメディアはごく少数で、ほとんどが前年比でマイナスの値を示している。リリースによればこれでもまだ2008年の状況と比べれば改善の方向を見せているとのこと。減少傾向が続いていることに違いは無いが、減少幅は縮小を見せ、下げ止まりの前兆をうかがわせるものとなっている(逆にいえば、まだ下げ続けるだろう、ということ)。
興味深いのは同じテレビでも、ケーブルテレビが伸び、全国的なテレビが落ち込みを見せていること。日本でも衛星テレビの経営が比較的堅調なところ(【テレビ放送は本当に凋落の真っただ中なのか? 総務省データの衛星放送部分を見直してみる】)を見ると、ニーズを絞ったテレビが受けるのは、日米共に変わらない状況といえる。また、【アメリカで 大いに流行る クーポンは 紙ではなくて デジタル形式】などで解説しているが、不景気によりクーポンが人気を集め、その業界の広告が増えたのも皮肉な話。
冒頭でも触れているが、下げ幅は縮小傾向にあるとはいえ、テレビや新聞、雑誌の落ち込み度は厳しいものがある。特にマイナー系雑誌の広告はその「お株」をインターネットに食われたせいか、「ボコボコと」という擬音が当てはまるくらいに広告が減少しているのが分かる。
また、インターネット広告は0.1%のプラス。正直、シケたものだが、これには有料の検索広告やテキストのみのもの、有料サイト、成功報酬型キャンペーン、電子メールキャンペーンなど、最近の多種多様な形態のものは対象外となっており、それらを足せばもう少し上乗せされる可能性はある。
広告費が増加するということは、そのメディアに注目が集まっている、視聴者の関心が寄せられている、メディア自身に勢いがある(あるいはそう思われている)ことを意味する。今件はアメリカでのメディアのすう勢を推し量るには、よいデータといえよう。
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