火鉢購入・実利用レポート(タコ唐草、備長炭)
2010/03/20 19:33
「Garbage Shot」第百二十三回。今回はちょっと趣向を変えて、さらにやや時期外れな感もあるが、「火鉢」を紹介することにする。長年使っていた電気ストーブの調子がおかしくなり、買い替えを考えていた際に「元々あまり使わなかったのだから、せっかくだから変わった暖房機器でも揃えてみようか」という気まぐれな発想が頭に思い浮かび、衝動買いした次第。
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「火鉢」とは言葉通り「火の入った鉢(はち)」。大きめの花瓶のような陶器の内部に灰が一定量入っていて、そこに火のついた炭を入れて使う暖房機器。長時間熱を持ち続けることや、遠赤外線効果が期待できること、上に網などを載せて焼き物を楽しめるなどのメリットがある。一方で一酸化炭素が発生するため、こまめな換気が必要などの手間がかかる。
今回は自分一人で使うこと、換気や使用後の安全性も考え「使っていない時は室外のベランダに置く」ことを前提としたため、普段の雑貨屋などで売っている大きめのものでは無く、インテリアとしても使える小さめなものを購入した。
「火鉢」まわり購入品一式
購入した商品は次の通り。
『・炭焼き名人 ハンディ火起こし器(炭を入れてガスコンロで火をつけるためのもの)』
『・備長炭』
※実はもう一品購入したものがあるのだが、それは使いものにならなかったのでここでは省略(最後に説明をする)
炭は100円ショップやホームセンターでもキャンピング用備品として販売されている(当方の近所では400グラムで100円だった)。こちらを使っても良いのだが、せっかくなので一緒に頼んだ次第。
アウトドア、キャンプ道具が売っている場所なら、大抵炭は置いている
火鉢本体の箱を開けて中を取りだす。構成物はいたってシンプル。
火鉢本体の中身
左上から敷物と火箸(ひばし)、右上が火鉢本体。左下が炭、右下が灰。敷物の上に火鉢本体を置き、袋に入っている灰を「静かに」火鉢に入れれば本体側の準備は必要。手荒に灰を入れると周囲に広がり、えらいことになるので要注意。
静かに灰を入れていく
そして次に炭の準備。火起こし器に炭をいくつか入れ、それをガスコンロで加熱する。中火で大体10分くらい。白くなったのは火が通っている証拠。
火起こし器に炭を入れ、ガスコンロで加熱。10-15分くらいで火が通り、白くなる
ガスコンロが使えない環境では、「新聞紙などの燃えやすいものに火をつけ」「小枝などを足して種火をつくり」「そこに炭を入れて着火する」というプロセスを踏めば良いが、家で使う限りにおいてはその必要は無い。
炭に火が通ったら、コンロから降ろし、いよいよ火鉢に投入。
火の通った炭を火鉢に投入
【専門店「火鉢屋」の解説】によると、炭を立てて置くことで酸素の供給が容易になり、火力が強くなる。温かいし、料理を作る時には火力は欠かせないので非常に重要。逆に「じんわりとした温かさ」を維持したい時には、寝かせた方が良い。また、炭同士は「近づけ過ぎず(酸素が入らなくなるため)、離し過ぎず(火力が弱まる、熱の補完がされにくくなる)」が基本とのこと。
確かに火をつけてからしばらくすると、周囲の空気がもんわりとあたたかになる。火鉢本体にも柔らかな熱がこもり、手を近付けるだけでもそれを感じることができる。これなら冬に入る前に買っておけばよかったと、今更ながらに後悔。
さすがに熱までは写真に写せないが、もんまりとした温かさが周囲に広まる
そして火鉢を扱う際に必ず知っておかねばならないのが「換気」。やはり専門店の【専門店「火鉢屋」の解説】によると、
・黒炭は白炭と比べて一酸化炭素排出量が多い
・1時間に最低2-3回、1回につき5分以上は換気が必要
・空気は上からよどんでくるので、座っていると気が付きにくいので注意
・炭は炎を出さないので空気を温めない。物質への熱伝導で温める(遠近赤外線が作用する)ので、空気が冷たくても温かさを感じられる
などの注意点が挙げられている。実際には使用する炭の量や部屋の体積などによって違ってくるが、30分に1度は換気を欠かさないようにするべきだ。
なお今回購入したミニサイズの火鉢では、その中に収まるタイプの五徳が見つからなかった(実は別途最小サイズの五徳を購入したのだが、それでも大き過ぎることが判明。内径と外径を勘違いしたのが悪いのだが……)。灰をもう少し足してかさを上げ、火鉢本体にかぶせる形で網をのせて、料理に使おうかなとも考えている。
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