「夫の家事手伝い時間が長い夫婦」ほど、さらに子供をもうける確率アップ

2010/03/20 19:30

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夫婦と子供イメージ厚生労働省は2010年3月17日、第7回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)結果の概要を発表した。そのデータによると、すでに子供がいる夫婦世帯において、夫の休日における家事や育児の時間が長い世帯ほど、さらに子供をもうけている割合が高くなる傾向が確認出来た。子供が一人いた世帯では、夫が休日にまったく家事などをしなかった世帯では32.4%しか第二子をもうけていないが、4-6時間の時間を費やしている場合には2倍以上の74.0%が第二子を出生したと答えている(【発表リリース】)。



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今調査は2002年時点で20-34歳だった男女に対し、それ以降継続して同一人物・配偶者を対象に毎年行っているもので、今回発表されたのは第7回調査の結果(2008年11月5日実施、26-40歳)。調査方式は調査員があらかじめ配布した調査票に被調査者が自ら記入し、密封したものを後日調査員が回収する方法。引越をしている場合は、厚生労働省から郵送された調査票に被調査者が自ら記入し、郵送により厚生労働省に提出する方法により行った。今回調査における調査票回収数は1万5337件。

夫婦間における家事の分担は長年にわたる課題ともいえる。【家事時間 男女の差異は約4倍 「もっとやって」と女性の不満も】などにもあるように、全般的には「もっと夫にも手伝ってほしい」というのが妻の本音のようだ。

それでは「休日に夫が家事や育児をどれだけ手伝ったか」という夫の家事貢献度と、その夫婦世帯での子供の出生には何か関係があるのだろうか……ということで取られた統計データが次のグラフ。実際に出生を経験した世帯について、その出生前調査時における「休日の家事育児時間」で区分した上で、カウントして割合を求めたものだが、非常に興味深い結果が出ている。

↑ 夫の休日の家事・育児時間別にみた、この6年間の出生の状況(出生した世帯の割合)(出生直前調査時の家事・育児時間)
↑ 夫の休日の家事・育児時間別にみた、この6年間の出生の状況(出生した世帯の割合)(出生直前調査時の家事・育児時間)

元々子供がいなかった夫婦では、夫の家事手伝い時間と出生割合にあまり関連性はないように見える。しかし子供が一人、あるいは二人以上になると、明らかに「夫が休日において家事・育児にかける時間が長いほど、さらに子供が産まれる世帯の割合が増加する」傾向が確認できる。

元資料では「家事・育児時間が長いほど子どもが生まれている割合が高くなる傾向がある」とだけ言及されており、その理由については触れていない。夫が手伝うことで妻に余裕が出来、それが出産にプラスとなるのか、あるいは逆説的に「夫が休日に家事育児を手伝える余裕(時間的、心理的、金銭的)がある夫婦世帯だからこそ、さらに子供をもうけられるのか」、どちらが主要因なのかは残念ながら分からない。

しかしいずれにせよ、家事や育児の面において、休日だけでも夫が妻の手伝いをすることは、少子化対策にはプラスとなるような感はある。「もう一人、欲しいかな」と思った夫の立場にいる人は、積極的に家事や育児を手伝うようにしよう。


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