【更新】44.8%が「お給料が1年前と比べて減った」、削るものは預貯金やおこづかい!?
2010/03/15 07:17
インターネット調査会社のクロス・マーケティングが2010年2月26日に発表した消費行動に関する調査結果によると、調査母体においては1年前と比較して、給与所得が大きく減退していることが分かった。そしてそれ以上に預貯金やおこづかいの額が減少している人が増え、多くの人が給与の減少分を「預貯金の切り崩し」や「こづかい削減」などでやりくりしている様子が確認出来る。また、昨年における「1年前の状況との比較」と比べると、給与所得・食費の面で減少率が拡大し、状況が悪化しているようすも見てとれる([発表リリース、PDF])。
スポンサードリンク
今調査は2010年2月8日から9日にかけて、20-69歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。年齢階層比は20代-60代でほぼ均等割り当て、男女比は1対1。なお今調査は2009年2月から3か月毎に実施されており、今回が5回目となる。当サイトでは同様の視点で前回のデータについて【45.6%が「お給料が1年前と比べて減った」、それ以上に厳しいおこづかい事情?】で考察を行っている。
本格的な不景気とつかみどころのない不安感にさいなまれる昨今、手元に入るお金がすく無くなれば、当然消費するお金も減らすか、どこからかやりくりしてくる必要がある。そこで「給与所得」はもちろんだが、それ以外に「預貯金」「おこづかい」「食費」について、1年前と比べた増減を尋ねた結果が次のグラフ。2009年のものは、その当時に1年前(つまり2008年)と比べてどうだったかを答えてもらったもの。
↑ 1年前と比較したお金の増減(2010年2月と2009年2月(一部同年5月)それぞれの調査時点の結果)
↑ 1年前と比較したお金DI値(2010年2月と2009年2月(一部同年5月)それぞれの調査時点の結果)
新入社員など入社年数が短い人の場合は出世などで給与所得が上がる場合もある。企業によっては堅調な業績を示したり、部課レベルや個人ベースで頑張ったことにより手取りが増えた人もいる。定期昇給もあるだろう。しかし全体的には1年前と比べ、給与所得が減った人の方が多い結果が出ている。
注目すべきは、「給与所得」以上に「預貯金」「おこづかい」のDI値が大きくマイナスに振れていること。これは単に「減った”人の”割合の多さ」を示しているのであって、具体的な額を示しているのではない。それを考慮しても「手取りの減少以上に預貯金やこづかいを減らす傾向が強い」ことが分かる。生活防衛意識・ひっ迫感が一層強まっているといえる。さらに「預貯金」については額面が減った人が多いわけだから、預貯金を取り崩して生活を支えている人が増えていることになる。
他方、食費の減少割合は他の3項目と比べると低い値に留まっている。食費の減少は一番手身近かつ具体的な消費行動ではあるが、一度手がけると、その上さらに減少させることは難しい。食費の額を減らすために「一日三食を二食にします」「昼飯はずっと抜き」とするわけにはいかない。食費に関してはすでに1年前から削っており、これ以上削減額を上乗せするのが困難な状態にあるのだろう。
また、2009年時点における「1年前(=2008年)と比較したお金の増減」と、今回の(2010年時点での2009年と比較した)値を見比べると、
・預貯金、おこづかい……残高減少の人が多い。金額減少人数はほぼ変わらず。
・食費……額面減少の人が多い。金額減少人数は増加しているが、金額が増えた人もやや増加。
などの傾向が見られる。金銭面では全般的に状況が悪い事に違いは無いが(DI値がすべて大きくマイナスのため)、「給与所得」がさらに悪化スピードを速め、「食費」は二極化、「預貯金」「こづかい」は順調に(!?)減退中というところか。
ちなみに過去5回分(食費は4回分)のDI値推移を示したのが次のグラフ。
↑ 1年前と比較したお金DI値推移
「おこづかい」が大きく下げ、「預貯金」が少し上昇している。これは苦しい中でも預貯金を切り崩すのはどうにか避けようとしている人、あるいは逆に将来に備えて積み増しをしている人が少しずつ増えていることを意味する(全体的には取り崩している人の方が多いことに違いは無い)。また、その代償として、お小遣いの額が減らされている人がますます増えていることになる。このパターンに当てはまる人も少なくないはずだ。
スポンサードリンク