ネット利用者でも新聞・テレビニュースへの信頼度は9割近くに
2010/03/14 09:09
Webマーケティングガイドなどは2010年3月11日、インターネットや既存マスメディアに対する生活者の利用意向に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、情報を得るメディアの中では「ニュース番組」と「新聞全般」の信頼度が極めて高いことが分かった。それぞれ9割近くの人が信頼派に属する回答をしている。インターネット系では「ニュースサイト」が新聞などに近い信頼を集めているが、その他のサイトは一様に低く、「ソーシャルメディア」「その他のサイト」では過半数の人が「信頼していない派」に属する回答を見せている(【発表リリース】)。
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今調査は2009年11月27日から11月30日まで10-50代までの男女500人に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は500人。男女比は1対1、年齢階層比は10年区切りで均等割り当て。
同調査別項目ではこの2、3年の間に、新聞やテレビなど既存4大メディアへの接触時間は減少する傾向を見せていることが明らかになっている。
↑ ここ2、3年の間の情報を得るメディアに接する時間の変化(再録)
それではそれらメディアに対する信頼度(配される情報がどれだけ正しいと考えているのか)はいかがなものだろう。意外、あるいは当然というべきか、ニュース番組や新聞全般など、一部の既存マスディアへの信頼度は極めて高く、9割近い信頼派の数が確認できる。
↑ 情報を得るメディアそれぞれに対する信頼度
今調査がインターネット経由で行われ、いわゆる「ネットバイアス」が多少なりともかかっていることを考えれば、ニュース番組や新聞全般への信頼度の高さは驚くべき値ともいえる。一方で同じテレビ番組でも「バラエティ番組」、紙媒体でも「雑誌全般」の信頼度はさほど高く無く、インターネットの「ソーシャルメディア」や「その他サイト」と同程度でしか無い。
インターネット系メディアでは「ニュースサイト」の信頼性が極めて高く、「ニュース番組」や「新聞全般」に勝るとも劣らない(ただし「非常に信頼」の数は小さめ)。他方、最近利用者、アクセス頻度、商用的活用とさまざまな方面で注目を集めている「ソーシャルメディア」の信頼度は「その他サイト」や(直上にあるように)「バラエティ番組」「雑誌全般」とさほど変わらない。これを「しか無い」と見るのか「もある」と見るのかは人それぞれだが、ともあれ信頼度において
と見てよい(「バラエティ番組」は、やや劣るようだが)。
信頼度合いを分かりやすく見るため、「非常に信頼」を2、「まあ信頼」を1、「あまり信頼していない」を-1、「全く信頼していない」を-2の係数で割り振り、それぞれの比率をかけてDI値を算出した結果が次のグラフ。
↑ 情報を得るメディアそれぞれに対する信頼度DI値
「バラエティ番組」「雑誌全般」と「ソーシャルメディア」「その他サイト」の関連性、「ブランドサイト」の微妙な位置、そして「ニュースサイト」が「ニュース番組」「新聞全般」に肉薄しているようすが分かる。
ただしこれらはあくまでも一般論であることに留意したい。リリースでも指摘されているように、例えば「ソーシャルメディア」でも公式アカウントによる発言や、信頼に足る人の書き込みならば、信頼度はグンと上がる。今件は有象無象のアカウントが混在する中での「全体的な」信頼度であり、一応発信元の裏付けが取れ継続的な配信をしている「ニュース番組」「新聞全般」とは、本来同列に並べて問い合わせるべきではないことを知っておく必要がある。
例えば「ソーシャルメディアで見知らぬ人の発言」「ソーシャルメディアでの公式な企業・著名人の発言」「ソーシャルメディアでの、自分が信頼に足る人と見なしている人の発言」と区別すれば、大きな違いを見せるに違いない。「新聞全般」にしても、対象となる新聞社によって劇的な差異が生じることだろう。
【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度】や【「新聞って信頼できるよね」「正確だよね」はそれぞれ6割、ただし若者と高齢者の間には大きなギャップも】、【新聞記事や特集7割・テレビ番組8割……シニア層の情報源、テレビや新聞が圧倒的】にもあるように日本では特にシニア層において、新聞やテレビに対する盲信的なまでの信頼度が寄せられている。それぞれの媒体がそれに応える報道姿勢を見せている限りにおいては問題はないが、そうで無くなった時の場合にどうなるか。想像するに難くない(すでに想像する必要すらない、という話もある)。
なお余談として、選択肢のうち「まったく信頼していない」人の割合だけを抽出したのが次のグラフ。
↑ 情報を得るメディアそれぞれに対する信頼度(「まったく信頼していない」の割合)
「バラエティ番組」の信頼されなさ度の大きさが分かる。さて、いわゆる「情報バラエティ」と呼ばれる番組や、情報バラエティ化した「ニュース番組」はどうなのかと考えてみると……色々と興味深いものがある。各自思い返してほしいものだ。
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