洪水や土砂崩れの避難勧告、どんな方法が望まれる? 73.5%の人が希望したのは……
2010/03/09 12:10
内閣府は2010年2月25日、避難に関する特別世論調査の結果を発表した。それによると調査母体においては、大雨などによる洪水、土砂崩れなどで避難勧告が出される際に、望まれる手段としては「テレビ」を挙げる人がもっとも多いことが分かった。第二位の「広報車」50.8%をはるかに上回る73.5%の人が回答している。地域向け情報を提供するローカル放送局に対しては、身近でリアルタイムの防災情報のニーズもあるようだ(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2010年1月14日から24日にかけて、全国の20歳以上の男女に対して調査員による個別面接聴取方式で行われたもの。有効回答数は1916人。男女比・年齢階層比は非公開。
局地的大雨や大型台風、その他多種多様な自然災害などにおいて、地域レベルでの避難勧告がなされる場合がある。先日の南米方面での大地震による津波警報も良い例だ。そこで、望ましい避難勧告などの伝達手段について複数回答で尋ねたところ、もっとも多い回答率を出した項目は「テレビ」だった。73.5%と、4人に3人近くの人がテレビによる情報展開を求めている。
↑ 望ましい避難勧告等の伝達手段(複数回答)
先日の津波警報なら全国規模での情報となるので全国ネットワークでのテレビ放送でも問題はないが、例えば河川の氾濫・堤防の決壊の恐れなど「避難勧告」は市区町村レベルの地域情報であることが多い。単に「テレビ」と表記されているが、全国放送で「●×地区の河川周辺の住宅に避難勧告が云々」と報じられることは滅多にないわけで、実質的にはローカル放送局やケーブルテレビなどによる地域放送を多分に含むと考えて良いだろう。
身近でリアルな手段としては「広報車」がもっとも多く50.8%、次いで「消防団」35.3%、「防災行政無線」29.3%、そしてようやく「隣近所の方を通じて」25.3%が入っている。近所づきあいが薄れているという話は良く耳にするが、このような調査にもそれが現れていることを考えると、少々もの悲しいものもある。
一方、「携帯メール」が32.6%と3人に1人近くが答えていることは注目に値する。子供の防犯用アイテムとしての普及が進む携帯電話だが、最近では地域の防災・防犯情報をメールで流すサービスが多くの地方自治体で実施されるようになった。そのサービスが着実に浸透していることの表れともいえる。今後はさらなるサービスの拡充と普及、そして万一の際にも使用が継続できるような体制の整備が求められよう。
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