中学生のコマーシャル視聴、放送時なら9割以上・録画再生だと4割前後に
2010/03/09 07:06
学習塾の栄光ゼミナールは2010年2月26日、中学生のテレビ視聴に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、リアルタイムでテレビを視聴する際のコマーシャル視聴の割合は95.5%に達していることが分かった。厳密には「見ている」人が71.8%で、「たまに見ている」人が23.7%と、大半の人がそれなりにしっかりとコマーシャルを見ている計算になる。一方、録画した番組を再生して見る場合では、コマーシャルを見る人は4割前後にまで減少している。録画再生の際のコマーシャルスキップ傾向は、大人同様中学生でも変わらないようだ(【発表リリース】)。
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今調査は2010年2月5日から9日にかけて、携帯電話経由のインターネットリサーチによって行われたもので、対象は中学1年-3年の男女それぞれ500人ずつ、計1000人。調査はネットエイジアが担当した。
調査母体のうち平日・休日にテレビを見ている人に対し、番組では無くテレビコマーシャルを見ているか否かについて尋ねたところ、71.8%が「見ている」、23.7%が「たまに見ている」と答えた。「ほとんど見ない」はわずか4.5%しかおらず、ほとんどの中学生が何らかの形でコマーシャルを見ている計算になる。
↑ テレビコマーシャル視聴有無(リアルタイム視聴時/平日・休日にテレビを見ている人限定)
男女別ではやや女子の方がコマーシャルを見る割合が高いが、大きな差は無い。男女を問わず、ほとんどの人がリアルタイムで番組を見ている際には、コマーシャルも見ていることになる。
一方、番組を録画して後ほど再生して見る場合では、大きく異なる結果が出ている。「見ている」層は4割に減り、「ほとんど見ない」は約6割に達してしまう。「見る・見ないの層が逆転」とまではいかないが、多くの人がいわゆる「CMスキップ」をしていることが分かる。
↑ テレビコマーシャル視聴有無(録画視聴時/平日・休日にテレビを見ている人限定)
録画再生時のコマーシャル視聴率の低さは以前【テレビCMがどのくらいの熱心さで観られているか】でも記した通りで、コマーシャルに元々興味が無い人では実に9割以上が「コマーシャルは見ない」と回答している。中学生の場合は機材や技術などの問題から飛ばす率が低いのかもしれないが、それでも「(しっかりと)見ている」層は1割強でしかなく、リアルタイム視聴時の1/5-1/6程度でしか無いのは事実だ。
リアルタイムでなら9割、じっくり見てくれる人なら7割という値は幸いだが、それでも録画時にはコマーシャルの効果が実質2-3割分でしか無い(じっくり視聴1割強+たまに見ている視聴を1/2-1/3で換算)現実を否定するわけにはいかない。中学生向けのコマーシャルを展開している企業(と、それを目当てにしている番組制作側)にとっては、頭を抱える事態に違いない。そして「ながら視聴」のことを考えると、実質的な効用率はこれらの値からさらに低下するとなれば、「コマーシャルに関する効果ってどこまで信じられるのか」という問題にまで発展する。
まずはいかに「録画で十分だろう」と中学生たちに思わせない、質の高い番組を送り出していくかが、テレビ放送側には求められることだろう。もちろんこの訴求は対中学生だけではなく、すべての視聴者に向けての話ではあるのだが。
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