思わず足元を確認したくなるお店のプロモーション
2010/02/26 05:14
目の前に現れた情景が尋常なものではない、普段見ているものとまったく別の様相を呈していた場合、自分自身の目を疑ってしまうもの。そこに「驚き」と「注目」を求めるのが広告であり、セールスプロモーションの一つの手法でもある。今回紹介するのは、2009年11月にカナダのバンクーバー、ロビンソン通りの衣料品小売店GAPで行われた、「SPRIZE」というキャンペーンを宣伝した時の様子。「SPRIZE」とは恐らく「驚き(Surprise)」と「報償、賞品(Prise)」とを掛け合わせた造語だと思われるが、確かにこれなら驚くだろう内容となっている(【Toxel.com】)。
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↑ 看板も商品も上下さかさま。
↑ 周囲に配された自転車や自動車、さらにはホットドッグの屋台までさかさま。
↑ お客様に商品を入れて渡す紙袋まで、ロゴがさかさま。
「SPRIZE」とはGAPの一部で行われている販売システムのことで、具体的には商品を購入後45日以内にその商品の価格が下がった時には、その差額を「GAPやその関連店舗で使えるポイント」で自動的に受け取れるという仕組み(【Gap: store upside down】)。予約してから実際に購入するまでの間に価格が下がった場合、安いほうの価格で再度値がつけられるサービスはあるが、「購入後」の価格下落までポイントでフォローしてくれるのだから、GAPへも足しげく通いたくなるというもの。
その「SPRIZE」という新しいシステムが、どれだけ驚きのものであるかをアピールするために行われたのが、この「上下さかさまなGAP」のプロモーション。「未だかつてない体験をお客に提供する」という考えのもと、「だったらこれならどうだろう、こんな経験したことないよね?」ということで行われたようだ。
実際にさかさまにさせられたのは32体のマネキン、4つのテーブル、数百ものTシャツ、ホットドッグの屋台、自動車3台など(写真にもあるように紙袋の印字もひっくり返している)。さすがに椅子や店員まではさかさまに出来なかったようだが(笑)、端から見るとたまげた状態には違いない。「果たして自分はちゃんと地面に足をつけているだろうか、もしかしたらさかさまになって宙に浮いているかも???」と足元を確認してしまうだろう。
なお残念ながら(?)この上下さかさまなGAPの世界、12時間で終了。今は普通の状態に戻っているそうだ。
ポスターやバナー広告でも時々上下をひっくり返して「おや?」と思わせるやり方を採用するものがある。しかしここまで徹底するとなれば、インパクトはケタ違いのもの。店外の自動車や屋台はともかく、店内の展示は月一くらいでやってもらえると面白いのだが……。
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