衝突事故が半分に減りそうな、台所用品に見立てた「踏切」
2010/02/24 07:01
最近では立体交差化が進み、少なくとも都心部では踏切を見かける機会は昔ほどではなくなった。もちろん一歩郊外に出れば、ごく普通に踏切を見つけることができる。その踏切で時々ニュースとして伝えられる悲劇が「遮断機を無理に横断して電車と接触する事故」。「遮断機を破損する事件」と合わせ、決して無くならない、ちょっとした無茶や無謀で起きる、悲しい現実。同じような事故は海外でも多数起きているようで、この問題に対処すべく、インドネシアで鉄道会社によって取られた方策がI Believe in Advertisingなどで紹介されていた。
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↑ これは確かに怖くて無茶などできない……Giant cleaver on railways gate in Indonesia.
インドネシアでも日本同様に、踏切の遮断機に突っ込んで無理に横断しようとし、遮断機を壊したり、果ては電車との接触事故が相次いでいた。色々な警告ポスターを配したが、そもそも論として「無茶をする人たち」はポスターなど見向きもせず、効果は薄い。そこで考え出されたのが、この「包丁遮断機」。
遮断機を巨大な肉切り包丁のような形(もちろん本物の包丁では無い)にし、遮断機がおりるたびに「包丁がざっくりと切り下ろす」かのような見た目にした。そして包丁にはインドネシア語で「無謀なことはしないように」、元記事の翻訳コピーでは「無茶しないでね、安全運転を(Don’t be reckless, Stay safe.)」の文字を躍らせ、停止したドライバーたちにさらなる啓蒙を行う仕組み。自動車をも真っ二つにしそうなくらいのサイズの肉切り包丁が振り下ろされる(遮断機がおりる)のを見れば、誰もが強硬突破などという無茶をせず、踏切に留まることだろう。
↑ 設営中、そして実際に運用されている時の様子。まるで漫画の世界。
実際、この「肉切り包丁遮断機」の設置によって多くの人が「遮断機がおりている時は無茶したらいけない。決められた通りに止まらないと」と認知するようになったとのことである。まるで漫画のワンシーンを見ているかのようなビジュアルだが、それだけにインパクトは大きく、効果も絶大だったに違いない。
日本で同じようなことができるかどうかは不明だが(広告上の法令の問題や、有らぬところからの非難があると思われる)、非常に印象に残る手法なだけに、是非一度日本でもやってほしいな……と思うのは当方だけではあるまい。
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