「団塊世代には趣味を持って欲しい」「ルールやマナーを守って」若年層が期待してること、でも……
2010/02/22 07:14
ネットマイルは2010年2月18日、ライフスタイルの世代比較に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち若年層では、「50代・60代の人たちに期待したこと」として「趣味を持つこと」「社会のルールやマナーを守ること」「異なる世代の人と交流する事」等が上位についていた。一方で50代・60代自身では「趣味を持つこと」がトップであることに違いないが、次いで「意欲的、積極的に日々を送ること」「身体を鍛え、体力をつけること」が上位についており、若年層側の希望とはすれ違いを見せていることが分かる。また、全体的に若年層の回答率が低く、醒めた目で50代・60代世代を見ている感も否めない([発表リリース、PDF])。
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今調査は2010年2月4日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は400。男女比は1対1、年齢階層比は20-25歳未満が50.0%・55-60歳未満が25.0%・60-65歳未満が25.0%。なお「50-60歳未満」「60-65歳未満」を合わせて、いわゆる「団塊世代」と呼んでいる。
若年層・団塊世代に二分した調査母体に対し、それぞれ「50代・20代(団塊世代)にどのようなことを期待するか」と複数回答で尋ねたところ、トップは若年層が「趣味をもつこと」で30.5%。団塊世代自身も同様に「趣味を持つこと」で2倍近い55.5%に達した。
↑ あなたは、“50代・60代”の人たちに、どのようなことを期待しますか?(複数回答、上位10項目)
・若年層
「趣味を持つこと」「社会のルールやマナーを守ること」
「異なる世代の人と交流する事」
・団塊世代自身
「趣味を持つこと」「意欲的、積極的に日々を送ること」
「身体を鍛え、体力をつけること」
「趣味を持つこと」への意見が両世代間でも変わらずに最多意見数を占めている。逆に考えれば団塊世代の無趣味的な状況に、疑問・不安を抱いている人が多い証拠でもある。
また、若年層が「団塊世代にはもっと他の人のことを見て、社会の一員であることを認識してほしい」という社会性を求めているのに対し、団塊世代自身は「自分自身の生きがいや健康を率先すべきである」という自分自身の生活の充実を優先する傾向があることが分かる。
この傾向は、「若年層」から「団塊世代」の値を引いた「DI値」を算出することで容易に把握ができる。この数字が高いほど若年層の期待が強い、逆にいえば低いほど団塊世代自身の意欲が勝っていることを示すのだが……
↑ あなたは、“50代・60代”の人たちに、どのようなことを期待しますか?(複数回答、上位10項目)(DI値(若年層-該当世代))
両世代の値を足した上で並べた上位10項目すべての項目の、DI値がマイナスを示している。これは若年層の意見が少なめなのと、団塊世代の意見が多めな状況の双方を意味している。そして団塊世代側のトップ3項目でいずれもマイナス値が大きく振れており、自分自身の世代に対する強い意識を持っていることが分かる。
若年層が「もっと社会の一員として、世代を超えて社会生活を過ごそうよ」という思いを団塊世代に抱いているのに対し、団塊世代自身は「自分自身のことを第一に考える」意識が強い。今回の調査結果からは、両世代間の考えの違いが見て取れる。
もう一つ気になる点といえば、若年層の方が押し並べて回答率が低い事。単にアンケートそのものへの回答意欲が低いだけならば良いのだが、団塊世代に対する期待そのものをさほどしていないということならば、それは「あきらめ」「不信感」の表れでもある。あるいは団塊世代に対する、それより下の世代の「白けムード」を反映しているのかもしれない。
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