若年層が見る団塊世代像、「こだわり」「自分の考え」「忍耐力」など肯定的だが醒めた印象!?
2010/02/22 07:13
ネットマイルは2010年2月18日、ライフスタイルの世代比較に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち若年層では、「50代・60代の人たちに対するイメージ」として「こだわりが強い」とする意見がもっとも多く、40.0%に達していることが分かった。次いで「自分の考えを持っている」「忍耐力がある」などが3割を超え上位についている。一方で50代・60代の人自身が自分らの世代に対するイメージとして挙げた項目では「忍耐力がある」がトップとなっている。また、世代間の数字を見ると肯定的項目では50代・60代自身の方が数字が高く、「細かい事を気にする」「外国文化に対する興味・関心が低い」「自己主張する」などのマイナス的なイメージのある項目においては若年層と50代・60代との間に意識の差は無いように見える([発表リリース、PDF])。
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今調査は2010年2月4日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は400。男女比は1対1、年齢階層比は20-25歳未満が50.0%・55-60歳未満が25.0%・60-65歳未満が25.0%。なお「50-60歳未満」「60-65歳未満」を合わせて、いわゆる「団塊世代」と呼んでいる。
若年層・団塊世代に二分した調査母体に対し、それぞれ「50代・20代(団塊世代)にどのようなイメージを持っているか」と複数回答で尋ねたところ、トップは若年層が「こだわりが強い」で40.0%、団塊世代は「忍耐力がある」で54.0%だった。
↑ あなたは、“50代・60代”の人たちについて、どのようなイメージを持っていますか?(複数回答、上位15項目)
評価しているが、
若年層は彼らに対し、
団塊世代自身よりも
醒めた目で見ている
他方、その他12項目はどちらかといえば肯定的意見。しかもそれらの項目はすべて団塊世代の方が数字が高い。自己評価は甘くなるのが常ではあるものの、「肯定的項目ばかりが上位についている」こととあわせて考えると「団塊世代は自己評価が高い」「(若年層から見れば)団塊世代って自意識過剰じゃないの?」という感はある。【団塊世代が見る若年像、過度な「自己中心的」「無関心」「非常識」認識】で触れた、団塊世代が持つ若年層への認識と比べたら大違いである。
それがよく分かるのが、「若年層の回答率」から「団塊世代(当事者)の回答率」を引いて算出したDI値。「自己主張する」がトップで3.5%、次いで「外国文化に対する興味・関心が低い」で0.0%、あとはすべてマイナス(当事者たる団塊世代の方が過剰な意識を持つ)を示しており、マイナス2.0%の「細かい事を気にする」以外はすべて肯定的な意見。
↑ あなたは、“50代・60代”の人たちについて、どのようなイメージを持っていますか?(複数回答、上位15項目)(DI値(若年層-該当世代))
否定的意見は世代間でほぼ同じ認識、つまり冷静な評価を受けている一方、肯定的な意見においては若年層による団塊世代への評価が少々醒めていることが分かる。単に団塊世代が自意識過剰なのか、若年層が醒めているのかまでは確定できないが、両世代の合計で並べた上位15位で肯定項目が多数を占めているあたり、恐らくは後者の意味合いが強いのだろう(自世代への否定的意見は低くなる傾向がある。若年層による「団塊世代への」否定的意見が強ければ、もっと否定的項目が上位についてもおかしくは無い)。
元資料では「団塊世代自身の“50代・60代”のイメージに対して、若年層はそれほど共感はしていない」と表現している。「共感していない」だけなら「世代間格差」「ジェネレーションギャップ」でかたがつくのだが、それでは昨今の「団塊世代に対する若年層の不信感」は説明がつかない気がする。本来なら団塊世代は「年上の大人」として、もっと尊敬され、肯定的意見の部分でも差異が無い結果が出てしかるべきなのだが……。
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