若者は「よい上司に恵まれたい」、団塊世代は…? 若年層と団塊世代の仕事観の違いとは
2010/02/19 07:14
ネットマイルは2010年2月18日、ライフスタイルの世代比較に関する調査結果を発表した。それによると調査母体全体では、仕事に対して「好きなことを仕事にしたい」と考えている人が50.5%ともっとも多いことが分かった。次いで「よい上司に恵まれたい」「仕事とプライベートは別のものと割り切りたい」が続いている。これを世代別にみると、若年層は落ち着いて仕事ができる職場を求めているのに対し、高齢層は対価よりもやりがいを求める傾向が強いように見受けられる([発表リリース、PDF])。
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今調査は2010年2月4日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は400。男女比は1対1、年齢階層比は20-25歳未満が50.0%・55-60歳未満が25.0%・60-65歳未満が25.0%。なお「50-60歳未満」「60-65歳未満」を合わせて、いわゆる「団塊世代」と呼んでいる。
仕事に対する考え方として複数の選択肢を用意し、自分の考えに近いものを好きなだけ選んでもらい、仕事への考え方の傾向を調べたところ、全体では「好きなことを仕事にしたい」という人がもっとも多く全体では50.5%に達していた。過半数の人が「可能なら、自分が好きなこと=自分の仕事としたい」と考えていることになる。
↑ 仕事に対する考え方で、あなたの考えに近いものはどれですか?(複数回答)(上位10項目)
次いで多いのは「よい上司に恵まれたい」。ただしこれは本人の力でどうにかなるものでは無く、運任せのところが大きいわけで、「願望」「願い」に近いものがある。一方、それに続く「仕事とプライベートは別のものとして割り切りたい」は本人の意思に寄るところが大きく、半ば「目標」としての考えと見ることができる。
全体としてはこのような形だが、調査母体の世代が大きく二分されているため、実はこの数字にはあまり深い意味はない。注目したいのは次の「世代別結果」。成人を迎えたばかりの若年層と団塊世代における、仕事への意識の違いが大きく現れている。
↑ 仕事に対する考え方で、あなたの考えに近いものはどれですか?(複数回答)(上位10項目)(世代別)
世代間で大きな違いが見られ、それぞれの世代で高い値を示している項目を抽出すると、
「よい上司に恵まれたい」「手に職をつけたい」「夢のある仕事がしたい」「楽にお金をもうけたい」
→落ち着いて仕事がしたい、安心して働ける場が欲しい(、自信は無い)
・団塊世代……
「自分の仕事ぶりにはある程度自信がある」「お金よりも自分らしさが活かせる仕事がいい」
→自分の技術や経験を社会に活かし、それを体感できる仕事が欲しい(、新しい技術の取得は敬遠)
という傾向が見られる。これらを合わせ見ると、例えば団塊世代が自らの技術を若年層に対して教練するというボランティア的な場が、双方にとって非常によくマッチしているように見える。しかし若年層は「よい上司に恵まれたい」という意思が強いので、その条件に団塊世代が合致している必要があるし、そもそも論として「好きなこと」で無ければ両世代とも敬遠してしまう。
具体的にどのような場面が想定できるかは考えにくいが、そのような場を創り出すことができれば、団塊世代には生きがいを提供し、若年層には仕事への意欲をかきたてさせることができる。例えば長い歴史を持ち、技術が引き継がれてきた会社で、定年退職を迎えた人に嘱託で指導に入ってもらうあたりが、良い例となるのかもしれない。若年層による団塊世代への「もらい逃げ」「食い逃げ」的な批判もかわすことができるだろう。
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