【更新】万一の時に備えた避難経路確認、宿泊施設で「必ずする」のは17.9%だけ
2010/02/16 05:22
「ブロッチ」などを展開するアイシェアは2010年2月15日、外出先における「避難経路」の確認や不安点に関する意識調査の結果を発表した。それによると調査母体のうち宿泊施設を利用した経験がある人において、初めてその施設を利用する場合に避難経路を確認する人は(頻度を別にすれば)81.0%であることが分かった。ただし「必ず」確認する人は17.9%と2割足らずに留まっている。また、確認した際に邪魔なモノが置いてあるなどで不安を感じた経験を持つ人は3割にも達していた。宿泊施設にも関わらず、万一のことを考えると、眠りも浅くなりそうだ([発表リリース])。
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今調査はアイシェアが2010年1月25日から1月28日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員(携帯電話による個人認証を利用したもの)に対して行ったもので、有効回答数は462人。男女比は56.対43.7で、年齢階層比は20代32.3%、30代31.2%、40代36.6%。
どんな建物にも、万一の事態(火災や地震)の際にすぐに外へ避難できるように用意されている(はず)なのが「避難経路」。勝手知ったる何とやらではないが、何度も行き来したことがある建物ならともかく、初見の場所の場合、「避難経路」がひと目で分からない場合も多々ある。そこで調査母体のうち宿泊施設を利用した経験のある84.4%の人に対し、はじめて利用する宿泊施設で「避難経路」を確認するか否かについて聞いたところ、「必ず確認する」人は17.9%に留まっていた。
↑ 初めて利用する宿泊施設で、避難経路を確認しますか?(宿泊施設利用経験者 限定)
「することが多い」「たまに」を合わせれば81.0%にも及ぶが、これらの選択肢では「確認しない」場合もあることになる。少々心もとない数字ともいえる。男女別ではやや女性の方が用心深いように見えるが、誤差の範囲。
それより年齢階層別の差異がはっきり出ているのが特徴的。一言で表現すれば「若年層ほど無頓着」。素早く気が付くだろうし、若さで何とかなるだろうと考えているのか、それとも「必要になる事態など遭遇するはずがない」とたかをくくっているのかもしれない。ただ、寝ている時にそのような出来事が起きた場合、初動が遅れるのは歳云々はあまり関係ない。注意にこしたことは無い。
さて「避難経路」といえば、お店側・建物管理側としては、ついそのスペースを利用してあまり使わない機材を置いてしまうことがある。また、建物の構造上や防災対策の怠慢で、避難経路の案内が分かりにくい場合もある。そのような「避難経路への不安」を感じたことがある人は約3割に達していた。
↑ 宿泊施設で「案内が分かりにくい」「物が置いてある」などが理由で、避難経路に不安を感じたことがありますか?(宿泊施設利用経験者で確認する人 限定)
これについては元々「用心深い人(避難経路を確認した人に聞いているから)」というくくりもあるため、年齢階層別の差異はほとんどない。「不安を感じない」7割のうち、本当に安全だったのか、あるいは認識不足で「本当は不安要素があるのに安心・安全だと思ってしまった」のかまでは定かではないが、ともあれ3割は不安を感じさせる状況だったことに違いは無い。
繰り返しになるが、宿泊施設では「避難経路」を使うような事態に陥った場合、その瞬間にはまだ寝ている可能性があり、避難初動が遅れるかもしれない。その時はいかに素早く「避難経路」を確認し到達できるか、そして肝心の「避難経路」が有効に使えるか否かが、言葉通り「命運を分ける」ことにもなる。施設を使う側も、サービスを提供する側も、くれぐれも用心するにこしたことはないはずだ。
なお元調査では宿泊施設「以外」においても、同様の問いをしている。結果としては宿泊施設より確認度は低く、避難経路の不安度は高い。睡眠中による初動の遅れを気にすることがないためか、利用者も施設提供側も防災・避難経路についてやや甘めに見ている感がある。これはこれで問題といえなくもないのだが、どうだろうか。
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