米クリスマス商戦での年齢別支払い手段の変化
2010/02/16 05:25
先に【カードが減り現金増加傾向!? 米クリスマス商戦におけるクレジットカードの使われ度合い】でアメリカのクリスマス商戦における支払い手段の変移をグラフ化し、「クレジットカードの利用頻度が低下してる、かも?」という話をした。その記事について「若者が現金を使ってるのは、やっぱりカードを止められたから?」という意見をいただいた。調査母体に「カードを止められたので現金を使うようになったのですか?」と問いかけた設問は元資料には見つからなかったが、それに代わるものとして2009年と同じ形式の2008年分の調査結果を確認することができた。今回はその2つを比較した差異のグラフを作り、色々と考えてみることにする。
スポンサードリンク
元となる資料は2009年末分が【全米小売業協会(National Retail Federation)】のプレスリリース【Procrastination Abounds as NRF Survey Finds Most Have Completed Less than Half of Shopping】内のデータ【(フルのデータ(PDF))】。2008年分は同じく【Procrastination Abounds as NRF Survey Finds Most Have Completed Less than Half of Shopping】から確認できる。同様のプレスリリースは2006年分まで見つけられたが、肝心の支払い手段の項目が掲載されていない。さらに2005年以前は一覧にリリース名があるものの、データはエラーが出て取得できない。どうやらサーバー移転の際にひも付けを忘れたか、転送そのものをしていないようだ。
ともあれ、2008年と2009年の全体、年齢階層別の「クリスマス商戦時にどんな払い手段をもっともよく使うか」を抽出し、2009年の値から2008年の値を引く。この値がプラスならば「2009年末には増加した」、マイナスなら「2009年末には減少した」ということになる。
↑ 自分がクリスマス商戦時にプレゼントなどを購入する際、どんな手段をもっともよく使うか(択一)(2009年末)(全米小売業協会)(再録)
↑ 自分がクリスマス商戦時にプレゼントなどを購入する際、どんな手段をもっともよく使うか(択一)(2009年末と2008年末の差)
・小切手は高齢者に利用増加傾向が見られる。
・デビットカードは中堅層以降に増加傾向が見られる。
・クレジットカードは押し並べて減少。特にごく若い世代と高齢者に強い減少傾向。
25-34歳層で「現金利用率が増加しているがクレジットカードはほぼ横ばいで、その分デビットカードの利用率が極端に減少」という傾向が見られる。現金とデビットカードはほぼ代替しうる立場にあるため、この世代は2008年と2009年ではあまり変化を見せなかったと考えても良い。
一方、18-24歳と35歳以上においては、「現金が増加(高齢者は横ばいだが、その分デビットカードが増加している)」「クレジットカードが減少」の現象が同時に起きており、クレジットカード離れをした人が現金やデビットカードに移行している様子が想像できる。
今データはあくまでも2年分のみの変移のため、一時的なものでしかない可能性も否定できない。今年末に発表されるであろう、2010年のクリスマス商戦時における全米小売業協会の発表を待ち、支払い手段の変移を見定める必要がある。とはいえ現データでは「やはりクレカ離れは進んでいるのかな」「若年層は現金に、高齢者はデビットカードを使うようになりつつあるみたいだぞ」ということが推定できよう。
スポンサードリンク