ゴム手袋の「しっかりつかみ度」が一発で分かる広告たち
2010/02/17 07:16
医療用・産業用のゴム手袋などを販売している【Ansell】という会社がある。その主力商品のゴム手袋は、いかに水などをはじめとする液体から肌を守るかと共に、どれだけしっかりと物を握ってとらえられるかという「グリップ力」を売り物にしている。洗剤などで泡だらけになったグラスやお皿でも、ツルツルすべらずにしっかりとつかんですべり落ちない「性能」がセールスポイントなわけだ。その自慢の「グリップ力」への自信がひと目で分かるのが、今回紹介する広告たちである(【Ads of the World】)。
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↑ 支柱の部分がぐるぐる巻きになって手に絡まっているグラス。これくらいしっかりと、グラスをつかんでいますよという意味。
キャッチコピーは「Ultra grip glove.」。直訳すれば「超絶パワーなグリップ力」というところか。実際にはこんな形に変形しているグラスなどありえないが、仮に実在すればこのグラスは確実に手に収まり、すべり落ちることは無い。つまり、Ansellのゴム手袋をつけていれば「ガラス製のグラスを洗剤の泡だらけにした状況下でも、それくらいがっちりとつかめますよ」ということをアピールしているわけだ。
このように一枚ものの広告でよくありがちな「見た人が本当にはありえないことと理解しつつ、そのオーバーな表現からアピールしたい効用がひと目で分かる」広告の典型的な一例といえる。
元記事には他にもいくつかの、同じAnsellのゴム手袋の広告が紹介されている。いずれも「それなら絶対に落とすことはないだろうな……」とニヤリとしながら眺められるものだ。
↑ お皿を「穴の部分を通してつかむように」持つシーン……本当に穴が開いちゃってます。
↑ これはコップの柄の部分がゴム手袋をしている人の指にぴったりフィットした形。ぱっと見では「こういう形の柄を持つコップがあるのかな」と思ってしまう。他の2種類にある「こんなのありっこないだろ」という認識がやや薄くなるため、いまいち感を覚えてしまうのが残念かも。
この類の広告を紹介すると「ウソをつくのは良くない」という意見を耳にする。例えば「手袋にカップが貼りついた状態で手をひっくり返しても、カップは落ちません」というタイプのものなら「誤解を受けるかも」と非難を集めても仕方がない。しかし実際、Ansellのゴム手袋を使ってもワイングラスの柄の部分は手にまとわりつかないし、お皿に取っ手となるような穴は開かないし、カップの柄の部分は指にフィットするように変形するわけではない。それは誰が見てもすぐに認識できる。
その上で、「それくらい」がっちりとつかめることが分かるのだから、表現方法としては正しい、というよりむしろ喜ばしいと思うのだが、どうだろうか。
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