ケチャップ史上「革命的商品」と目される新タイプの包装「DIP&SQUEEZE」

2010/02/08 07:12

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「DIP&SQUEEZE」イメージ今では誰もが気軽に使えるようになった、西洋風の調味料の一つ「ケチャップ」。昔はソース全体を指した言葉だったそうだが、ハインツ社が19世紀後半に瓶詰めトマトケチャップを発売して世に広めてから、「ケチャップ」=「トマトケチャップ」となったそうだ。日本では20世紀に入ってから販売が始まり、普及したのは太平洋戦争後とのこと。その「ケチャップの元祖」ともいえるハインツ社が先日発売をはじめた、ケチャップの包装「DIP&SQUEEZE」が大きな話題を呼んでいる。単純にして明快なアイディアで便利さを提供することに成功しているこのパッケージ、ハインツ社自身「ケチャップのこれからの10年の歴史を切り開く、革命的な商品」とうたっているくらいのシロモノだ(【プレスリリース】【トリガー記事:Toxel.com】)。



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↑ ハインツの新しいケチャップの包装の使い方を示した動画。音声は元々入っていないのでご注意を。
↑ ハインツの新しいケチャップの包装の使い方を示した動画。音声は元々入っていないのでご注意を。

冷蔵庫に収めて何度となく使う瓶詰・チューブ詰めのケチャップではなく、ファストフードやお弁当などで使う「単回使用」向けのケチャップの包装の場合、大きく分けて2種類のものがある。一つはファストフードでポテトやチキンナゲットに使う、長方体の小さな「浸け用」ケース。そしてもう一つは長方形の袋詰めのもの。場面によって配られるタイプが異なるが、お店側が意図したのとは別の使い方をしたいことも良くある話(例えばナゲット用に「浸け用」ケースでケチャップをもらったが、ナゲットの上からケチャップをたっぷりとかけたいような場合)。

そこで今回考案されたのが、ハインツ社の「DIP&SQUEEZE」。直訳すると「浸けて、絞って」。要はケチャップにおける二つの利用スタイル双方に対応したパッケージのこと。

↑ プレス向け資料から抜粋。浸けるタイプとして使うか(左)、しぼりとるタイプとして使うか(右)、両方の使い方が1つのパッケージで可能
↑ プレス向け資料から抜粋。浸けるタイプとして使うか(左)、しぼりとるタイプとして使うか(右)、両方の使い方が1つのパッケージで可能

↑ しぼり取る使い方の場合、手に持つ部分がケースになっているので、ケチャップをたらす場所をミスる可能性も少なくなる。手が汚れるリスクも減る
↑ しぼり取る使い方の場合、手に持つ部分がケースになっているので、ケチャップをたらす場所をミスる可能性も少なくなる。手が汚れるリスクも減る

見た目は寸胴な牛乳瓶をスライスしたような、これまでの「浸けるタイプのケチャップケース」に近い。下の「TO DIP」からフタを開ければこれまで通り「浸けて食べる」方式で使える。一方、上の(牛乳瓶ならフタの部分に相当する)「TO SQUEEZE」の部分を開けると、写真にあるように「中のケチャップを絞り、食品につける」スタイルで利用できる。

「DIP&SQUEEZE」における基本コンセプトである、「両方の使い方それぞれに別のパッケージを用意するのは面倒だし、使い手の自由度も制限される。ならば使う側にどちらの方法も選べるようなものを提供しよう」という発想が素晴らしい。お店・提供側は添付調味料の一元化ができるし、利用者側は柔軟性に富んだケチャップの活用が可能となる。また、この「DIP&SQUEEZE」に収められているケチャップの量は袋詰めのケチャップの3倍に相当するため、ハインツ側としても嬉しい限り(一応説明では「市場調査の結果、もっと多くのケチャップを求めているという声に応えた」とあるが……)。

ちょっとしたアイディアと工夫で、劇的な便宜性がもたらされる。そんな奇跡に出会えることは滅多にないのだが、まさにこの「DIP&SQUEEZE」はその奇跡に遭遇した感すらある。場合によっては日本でもそう遠からずのうちに、見かけるようになるかもしれない。



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