「携帯ラジオや医薬品の備え」39.2%から56.7%へ…大地震への備え、少しずつですが充実してきてます
2010/01/28 07:13
内閣府政府広報室は2010年1月21日、防災に関する特別世論調査の概要を発表した。それによるとこの20余年の間に少しずつではあるが大地震に対する備えは少しずつ充実する傾向にあることが分かった。例えば「携帯ラジオ、懐中電灯、医薬品などを準備している」項目では1984年調査では39.2%の人が実施していたのに対し、最新の2009年調査では56.7%の人が行っていると答えている(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2009年11月26日から12月6日にかけて全国の20歳以上の男女に対して個別面接聴取方式によって行われたもので、有効回答数は1944人。男女比・年齢階層比は未公開。
各種災害に対する備えの中でも、日本ではもっとも重視されているものの一つが「大地震への備え」。毎年9月1日の「防災の日」は「1923年9月1日に発生した関東大震災の教訓を忘れないようにしよう」というのが主目的であることからも一目瞭然である(実際にはこの時期によく到来する台風など、他の災害への備えも兼ねている)。
それでは「大地震への備え」の意識はどのように変化を遂げているのだろうか。今回発表された資料には、過去の調査結果が1984年分以降時系列順に並べられている。そのうちおもな項目について、その変移をまとめたのが次のグラフ。
↑ 大地震に備えてとっている対策
「特に無い」、つまり地震対策をしていない人の割合が少しずつ減少しているのを除けば、後は大体横ばい、あるは上昇している様子が分かる。「自分の家の耐震性を高くしている」は直近データでも10%をようやく超えた程度だが、それでも過去と比べればずいぶんと上昇している。特に避難場所の決定や携帯ラジオ・医薬品などの準備においては浸透率の増加が著しい。
一方、今回のグラフでは(途中で設問形態が変更したため)省かれた、唯一経年と共に減少しているのが「消火器や水をはったバケツを用意している」。一部「いつもお風呂の水を溜め置きしている」と混合していることもあるが、「水を張ったバケツを室内に用意する」というライフスタイルそのものが薄れているのが要因のようだ。風呂に水を貯めて置くこと自身は減少傾向を見せていないし、可能性としてペットボトルの水などを代用する可能性を考えれば、「バケツ水」が減少してもそれほど懸念する必要はないのかもしれない。
とはいえ、「携帯ラジオや医薬品などの準備」を除けば、浸透率は40%を超えてすらいないのも事実。いずれの対策もちょっとした下準備、情報収集、習慣として慣らすだけで済むこと。一人でも多くの人が心がけ、実践してほしいものだ。
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