アメリカの子供達のテレビやゲームの接触時間・決まりごと
2010/01/28 07:13
先日アメリカのメジャー新聞社「USA TODAY」の公式サイトに、アメリカにおける子供達とメディアの接触時間の変化に関するレポートが掲載されていた。アメリカを中心に全世界で公衆衛生や健康管理などの情報収集や分析、研究を行う非営利団体【the Kaiser Family Foundation】が2010年1月20日に発表した調査結果[Generation M2: Media in the Lives of 8- to 18-Year-Olds]を元にしたものだが、結論としては「ゲームやパソコン、テレビなどのメディアへの接触時間が長い子供ほど不幸を感じているようだ」「しかし子供達自身に言わせると、そのようなメディアによって他の人とのコミュニケーションはむしろ活性化することも多いとのこと」「結局のところ、バランス感覚を維持して接することが大切だ」としている。今回はまず手始めに、元記事となった【USA TODAYの「Kids less happy as they're more plugged into TV, music, Web?」】に掲載されていた2つの重要なグラフを再構築してみることにした。
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まずは調査対象となったアメリカの子供達と各種メディアとの触れあいの度合いについて。自分の携帯電話を所有しているのは3人に2人、食事の際にテレビを観ているのもほぼ同率。一方で新聞を読んでいるのはわずか23%。
↑ 米の子供が利用するメディアについて(2009年、2002人を対象、8-18歳、the Kaiser Family Foundation、誤差3.9%)
多少ながらも驚いたのはソーシャルメディアの利用率の高さ。FacebookをはじめとするSNSが日本以上に浸透しているのはすでにお伝えしている通りだが、実に3/4が自分のページを持っている計算になる。また、携帯音楽プレイヤーの普及率の高さにも目が留まる。
一方、各種メディアへの平均接触時間だが、やはり一番長いのはテレビ。次いで音楽視聴、パソコンの順になっている。
↑ 米の子供がメディアで費やす時間(2009年、2002人を対象、単位:分、8-18歳、the Kaiser Family Foundation、時間上の重複回答・同時視聴は別途回答のため)
なおグラフでも触れているように、各種メディアへの接触時間は重複して計算されている。例えばテレビを見ながら雑誌を読んだり、パソコンをしながら音楽をした場合、それぞれの媒体の利用時間が加算されている。この「ながら利用」は重要な要素としておおもとのレポートでは別途の項目を割き、細かい分析がなされている。気になる人は原文を読んで欲しい。
「ながら利用」は別にしても、テレビやデジタル系メディアへの注力時間が長く、紙媒体へはほとんど目を留めていないのも分かる。このあたりの事情は日本とさほど変わりがないのだろう。
おおもとの資料は90ページ近くに及び、1999年以降5年ごと・都合3回分の経年データも含めた多種多様な数字が盛り込まれたものとなっている。メディアに対するアメリカの子供達の動向が良く分かる内容となっており、きわめて興味深い。時間と機会があれば、いくつかのデータを抽出・再構築し、紹介することにしよう。
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【アメリカ人がいつテレビを見ているのかがひとめで分かる図】
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