運転中のケータイ利用がつくづく怖いものと実感させてくれる広告
2010/01/24 08:34
先に【運転中のケータイ利用が危険だとあらためて分かるポスター】内で解説したように、自動車を運転中に携帯電話を利用し、注意が散漫になるなどが原因で事故を起こす事例が世界中で多発し、問題視されている。日本では国土交通省などの統計データを見る限り、まだごく少数に限られているが、警察などから注意を受ける事例は増加の一途をたどっており、安心することはできない。今回紹介するポスターも、「自動車運転中に携帯電話を操作することの危険さ」を訴えかけたもの。先の「文字列を並べて」よりももっと直接的に、ぱっと見で「運転中の携帯電話操作がいかにハイリスクか」が分かるものだ(トリガー記事Adland)。
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↑ NTFの「運転中はケータイを使わないようにしよう」キャンペーンの看板
これは【北欧輸送同盟(NTF,Nordic Transport Federation)】などがスウェーデンで展開したもの。衝突事故を起こした、自動車のように見える携帯電話を看板化し、「自動車事故の怖さ」と「自動車運転中に携帯電話を使用することのハイリスクさ」を同時に表現している。この看板を道路脇に設置することで、もし運転手の中に携帯電話を使用している人がいても、その電話をすぐに切り、両手でしっかりとハンドルを握るよううながす効果をもたらすことになる。具体的なコピーは(同盟ロゴ以外には)無く、まさに「無言のメッセージ」を投げかけているわけだ。
元記事にはほぼ同じコンセプトのポスターも紹介されている。これは2008年にクウェートで展開されたWataniya Telecomの広告(Wataniya Telecom - Cell Phone Car Crash - (2008) print, Kuwait)だが、表現はさらにダイレクトなものとなっている。
↑ Wataniya Telecom - Cell Phone Car Crash - (2008) print, Kuwait
広い幅の道路に横たわる二台の大きな携帯電話。良く見ると液晶部分が自動車の運転席、液晶そのものがフロントミラーとなっている。そして道路には複数のスリップ痕。やはり状況を説明する文章は(ぱっと見では)無いが、これが自動車事故であること、しかもそれが双方の携帯電話操作中におきたものであることが瞬時に連想される。
ほんのカンマ数秒で何メートルも前進する自動車の運転中においては、ちょっとした不注意が取り返しのつかない事態を招き得る。携帯電話の利用でわずかでも注意力が散漫になれば、それだけリスクは確実に増える。自動車運転中の携帯電話利用はもちろん違法行為であるが、それだけでなく、自分や周囲に「後戻りのできない重荷」を背負わせることにもなりかねない。今回紹介したようなポスターが要らなくなるよう、一人ひとりが心がけて欲しいものだ。
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