人気の高い新興国投信、敬遠されがちな国内株式投信、だけど多くは「様子見モード」!?

2010/01/18 07:08

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様子見イメージ野村アセットマネジメントは2010年1月14日、投資信託(投信)に関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体のうち投信保有者においては、「先進国ソブリン中心の海外債券型投資信託」がもっとも所有している人が多く、21.9%の保有率を数えていることが分かった。次いで「国内株式型投資信託」「バランス型投資信託」と続いている。一方で今後買い増ししたい・新規に購入したい投信のトップには「新興国中心の海外株式型投資信託」がつく一方、保有額を減らしていきたい投信には「国内株式型投資信託」が最上位についており、日本国内株式の人気の低さを物語っている。ただし今後買い増し・減額・新規購入の設問では半数前後が「特に無い」の回答を示していることから、現時点では投信については「様子見」状態にあることもうかがえる(【発表リリース】)。



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今調査は2009年10月5日から8日にかけて事前調査(4万人対象)・同年10月8日から14日にかけて本調査(2069人)をインターネット経由で行った結果。本調査における男女比はほぼ1対1、年齢階層比も30代・40代・50代・60代でほぼ均等割り当て。投資信託の保有・非保有率は約2対1でほぼ均等に各年齢層・性別で割り当てられている。調査そのものはマクロミルが実施した。

調査母体のうち投資信託保有者1384人に対し、保有している投信の種類について複数回答で尋ねたところ、もっとも多いのは「先進国ソブリン中心の海外債券型投資信託」で21.9%となった。ちなみに「ソブリン」とは政府などが発行する債券のこと。ここでは「海外政府の国債が中心となった海外債券型投資信託」と読めば良いわけだ。

↑ 保有している投資信託(複数回答)
↑ 保有している投資信託(複数回答)

次いで多いのは「国内株式型投資信託」。トップは直近の利回りの良さ(一時期「ソブリン債」云々があちこちの広告で目に留まったはず)から、「国内株式型投資信託」は身近な金融商品に投資しているという安心感から、人気があるのだろう。なお、複数回答にも関わらず、各項目の回答率を足すとぴったり100%になるため、回答者のほぼすべてがどれか一種類の投資信託のみを所有しているものと思われる。

それでは今後の投資動向・意向についてはどうだろうか。「買い増ししたい」「保有額を減らしていきたい」「新規購入したい」投信についてそれぞれ、やはり複数回答で尋ねた結果が次の通り。各投信の並びの順番は、最初のグラフに合わせてある。

↑ 今後買い増ししたい投資信託(複数回答)
↑ 今後買い増ししたい投資信託(複数回答)

↑ 今後保有額を減らしたい投資信託(複数回答)
↑ 今後保有額を減らしたい投資信託(複数回答)

↑ 今後新規に購入したい投資信託(複数回答)
↑ 今後新規に購入したい投資信託(複数回答)

現在保有している割合としてはさほど多く無かった「新興国中心の海外株式型投資信託」が個別項目ではもっとも「買い増ししたい投信」となっている。また「新規購入したい投信」でも同様の結果が出ていることとあわせて考えると、今後の成長性に期待している人が多いと思われる。

一方、「保有額を減らしたい投信」では「国内株式型投資信託」がトップについており、次いで「国内外のリート型投資信託」が顔を見せている。両者とも投資対象においては今一つ伸びが期待できないことから、人気の無さを誘ったようだ。

ただ、グラフのいびつさから見ればお分かりのように、買い増しは5割近く、減少・新規購入は6割近くの人が「特に無い」と答えている。また「買い増し」においても極めて手堅い「マネー型投資信託(MMF、MRF)」の人気が「新興国中心の-」に次ぐ人気を見せている。これらの状況から、投資信託に投資をしている個人投資家においては、現状は「待ち」「現状維持で様子見」状態が多勢を占めているといえよう。



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