国語が得意な人は苦手な人より4割近くも「読んでます!」・ケータイ小説好きと国語好きの不思議な関係
2010/01/17 08:25


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今調査は2009年12月26日から29日にかけて、インターネット経由(モバイルリサーチ)で、大学または短大進学予定の高校1-3年生に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1。調査担当はネットエイジア。
携帯電話上で読まれることを前提にして書かれた、自由なスタイルの散文的小説を総じて「ケータイ小説(携帯小説)」と読んでいる。【10代男性4割・女性7割近くは「ケータイ小説読んだことアリ」-広まりを見せる携帯小説】にもあるように、特に10代の男女に人気が高く、このケータイ小説を書籍化した冊子も飛ぶように売れている。
今件では「ケータイ小説」や、ほぼそれと同義語でパソコン上からの閲覧も前提とした、もう少し書籍上の小説に近いスタイルの「オンライン小説(ウェブノベル)」の閲覧頻度について尋ねている。元資料では区分が細分化されていて、やや読みにくいところもあるので、こちらでいくつかをまとめて分かりやすくしたのが下のグラフ。

↑ どれ位の頻度で文学作品や小説の本を読んでいますか?(ケータイ小説・オンライン小説)
他のケータイ小説に関する調査同様、男性よりも女性の方が購読頻度が高いのは一目瞭然。購読経験者のくくりで見ても、女性は男性よりも66.3%も購読率が高い。
興味深いのは、国語の科目の得手・不得手と、購読率の割合には相関関係があること(因果関係までは実証されていない)。「ほとんど・まったく読まない」の割合が「非常に得意な人」が40.0%なのに対し、「非常に不得意な人」は56.5%にも達している。逆に考えれば、購読経験者の割合は37.9%も「非常に得意な人」の方が多い計算になる(さらに良く見ると、「毎日読む人」はなぜか「非常に得意」より「得意」な人の方が多い。これについては原因はまったく不明)。
大人からすれば「ケータイ小説」などは、「得体の知れないもの」「日本語を正しく覚えられなくなる」「文法も表現方法もでたらめ」と非難の対象になりやすい。しかし実際には国語が得意な子供ほど、ケータイ小説などを好む傾向がある。国語に対する知識欲の高さが、ケータイ小説という新しいスタイルの「文学」にも魅力を感じさせているのかもしれない。
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