「投資が必要不可欠」42.4%、でも否定派は「食わず嫌い」の可能性も
2010/01/16 08:12


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今調査は2009年10月5日から8日にかけて事前調査(4万人対象)・同年10月8日から14日にかけて本調査(2069人)をインターネット経由で行った結果。本調査における男女比はほぼ1対1、年齢階層比も30代・40代・50代・60代でほぼ均等割り当て。投資信託の保有・非保有率は約2対1でほぼ均等に各年齢層・性別で割り当てられている。調査そのものはマクロミルが実施した。
リスクとリターンという観点で考えれば、【日米の家計資産推移(2009年3Q分)】でも解説したように、日本は現金・預金に対する評価が非常に高い国として知られている。安心思考という点では評価できるが、経済の活力にとっては、間接金融となる「銀行などへの預貯金」よりも、企業に直接注入される株式や債券のような直接金融の方がプラスとなりやすい。その点では「お金が滞留してしまっている」と見ることもできる。
そこで、もっと投資にも目を向けてもらおうということで掲げられたスローガン「貯蓄から投資へ」について、その言葉を知っているか否かを尋ねたところ、全体では62.0%の人がこの言い回しを認識しているという結果が出た。もっとも、内容まで理解している人は22.9%に過ぎない。

↑ 「貯蓄から投資へ」という言葉を知っていますか(事前調査4万人による回答)。
年齢階層別で見ると、若年層の方が認識度が低い。また、女性は男性の半分程度しか内容まで理解していないことが分かる。最近では女性向けの投資セミナーや講座が色々と開催されているが、この認識度の低さが逆に好機ととらえられているのかもしれない。
また、投資においては「継続性」「複利効果」が絶大なものであるのも事実。その点では少しでも早い時期から十分な知識を得た上で、投資を始めるのが望ましい。にも関わらず認識度・理解度は若年層の方が低いのは、残念な話ではある。
もっとも【将来へのたくわえ63.2%……「来年どんな費用を増やす?」に現れる生活防衛意識】などにもあるように、将来への備えの意識は若年層の方が高いようだ。要は「ニーズはあるが、具体的知識を得ていない、得る機会がない」だけなのかもしれない。
●リスク回避傾向も若年層の方が上
それでは「貯蓄から投資へ」という言葉について、どのようなイメージを持っているだろうか。「投資は必要不可欠」「リスクがあるから投資は必要ない」の2択で尋ねたところ、全体では投資肯定派は42.4%・否定派は56.7%という結果が出た。

↑ 「貯蓄から投資へ」という言葉を聞いた時、あなたが一番近いと感じるものはどれですか。(事前調査4万人による回答)。
こちらは男性の場合若年層ほど投資肯定派が多く、50代までは漸減、60代になると急増する結果が出ている。一方女性は高齢層ほど高い。さらに男女では男性の方が肯定派が多いなど、ほぼ「貯蓄から投資へ」という言葉そのものの認知度と相関関係にあることが分かる。
リリースでも触れているが、「貯蓄から投資へ」という言葉、そして投資そのものへの否定的な考えが多いのは、何よりも「言葉の意味、中身そのものを知らないから」という「食わず嫌い」によるところが多いようだ。まずは投資そのものへの啓蒙活動が必要なようである。
……というデータを出したり話をすると、必ず「貯蓄から投資だなんてまやかし、危険なスローガンだ」「投資はギャンブルみたいなもの、薦めるだなんでとんでもない」という意見を必ず耳にする。確かに何の知識も持たずに投資活動をするのなら、危険極まりないことに違いは無い。いわば航海図も羅針盤も持たずに、手漕ぎボートで大海原の航海に旅立つようなもの。
要は必要な知識を習得し、理解度を深め、自分のレベルに合った投資をした方がよい、ということ。銀行や郵便局への預貯金だって立派な投資活動の一種に他ならない。預貯金は「銀行などに口座を作ってお金を預ける」「通帳などでお金の流れを把握できる」「預けたお金に対してちょっぴりだけど利子が付く」「ATMや窓口で自分の口座にあるお金の出し入れが出来る」「デフォルト(預けたお金が返してもらえなくなる)可能性はほぼゼロに等しい」ということを知っているからこそ、安心して出来る「投資活動」。

それすら「危険だ、リスクがある」ということならば、自分の余剰資金すべてをタンスにしまい込むことをお勧めする。一部ならばリスク分散という観点で、賢い方法といえよう。ただしタンス預金の盗難リスク、という観点で考えれば、預貯金もタンス預金も似たようなものになるのだが……。
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