【更新】「ケータイ小説」読んだ経験がある人は7.9%
2010/01/15 07:04
「ブロッチ」などを展開するアイシェアは2010年1月14日、冬の夜に読みたい小説に関する意識調査の結果を発表した。それによると調査母体においていわゆる「ケータイ小説」(携帯電話で読むことができる小説で、携帯電話という特殊環境下で読ませるために独特の文体をしていることが多い)を読んだことがある人は、全体の7.9%に留まっていることが分かった。現在も読んでいる人は5.0%に過ぎない。20代でもその割合は1割に満たず、意外と普及度は高くないことが確認できる([【発表リリース])。
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今調査は2009年12月16日から12月21日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員(携帯電話による個人認証を利用したもの)に対して行われたもので、有効回答数は478人。男女比は55.9対44.1で、年齢階層比は20代29.5%、30代33.5%、40代37.0%。
【ケータイ小説、出版化されれば7割が購入】や【10代男性4割・女性7割近くは「ケータイ小説読んだことアリ」-広まりを見せる携帯小説】などにもあるように、携帯小説・ケータイ小説とは、携帯電話という限られた表示能力の媒体の中で読ませることを目的にした小説のこと。文体の区切りや主要読者層(ごく若い世代)向けの内容、表現が用いられる場合が多い。また挿絵や効果的描写などを用い、まるで絵本のような見せ方をするものもある。
それらケータイ小説について購読経験があるか否かについて尋ねたところ、全体では7.9%に留まるという結果が出た。2.9%の「昔読んでいたが今は止めた」を除けば、現在も読んでいる人は5.0%に過ぎない。
↑ 携帯電話で読める「ケータイ小説」は読みますか?
↑ 携帯電話で読める「ケータイ小説」は読みますか?(年齢階層別)
他の携帯向けサービスに関するアンケート結果同様に「男性より女性の方が利用率が高い」「高齢層より若年層の方が利用率が高い」という結果が出ている。それにしても先の別調査機関の結果(「10代男性4割・女性7割近くは「ケータイ小説読んだことアリ」-広まりを見せる携帯小説」)と比べると値が低すぎる。
↑ 携帯小説利用経験(時系列・性別)(2007年は携帯コミック含む)(メディア環境研究所調査、再録)
いくつか原因は考えられる。その最たるものは「ケータイ小説は10代男女、特に女性という限られたグループで特に深く浸透している携帯電話のコンテンツ文化」たり得るということ。今回のアイシェアの調査は20代以上を対象にしているため、最多利用層の10代が入っていない。結果として全体も低い値となったと考えれば合点がいく。他に「ブームが去りつつある」「たまたま」「ウェブ・ケータイ経由のアンケート回答層とケータイ小説購読層には微妙なずれがある(上記メディア環境研究所の調査は郵送調査方式によるもの)」などが考えられるが、やはり「10代限定」がもっとも強い要因なのだろう。
今年は携帯電話の性能もますます向上するだけでなく、紙媒体としての書籍離れも進み、さらに海外から「電子書籍」の津波が押し寄せる気配を見せている(アマゾンドットコムから出ている「キンドル」が好例)。今後「ケータイ小説」はどのような変化・浸透を見せていくのか、非常に気になるところだ。
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