【更新】利用時間で3.7倍もの差が…パソコンや携帯電話の使い過ぎ、身体や心に不調をもたらす?
2010/01/07 07:14


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今調査は2009年12月8日から12月11日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員(携帯電話による個人認証を利用したもの)に対して行われたもので、有効回答数は491人。男女比は55.6対44.4で、年齢階層比は20代35.6%、30代27.5%、40代36.9%。
パソコンや携帯電話を長時間使っていると、目の疲れや肩こり、めまいなどを覚える経験をした人は少なくないはず。【長時間のおしゃべりは「携帯電話ひじ」に!? 不自然なポーズがひじに負担を】や【ケータイの使いすぎには要注意?! 反復運動過多損傷(RSI)が急増】でも触れている反復運動過多損傷(RSI)や携帯電話ひじ(cell phone elbow)などのような、物理的に使っている身体の部位の不調はもちろん、間接的な心身の疲労に伴う倦怠感などの不調を覚える事例も数知れない。
今調査でも「パソコンや携帯電話の操作が影響しているかもしれないと思う、心身の不調はありますか?」という問いに対しては、52.7%の人が「ある」と答えている。

↑ パソコンや携帯電話の操作が影響しているかもしれないと思う、心身の不調はありますか?
これは自己判断による回答なので、西洋医学的な「病気」の範囲の他に、東洋医学的な「未病」(いわゆる「健康」と「病気」の間の状態)の事例も含まれる。とはいえ、半数以上が不調を訴えているというのは、問題視されてしかるべき状態といえる。
属性別では男性より女性、若年層より中堅層の方が「ある」比率が高い。女性の方が携帯電話を利用する場面が多い、中堅層の方が身体に無理をしにくいなどがその理由だろう。
一方、パソコンや携帯電話の画面を見る1日の平均総時間別に区分してみると、明らかな違いが見て取れる。

↑ パソコンや携帯電話の操作が影響しているかもしれないと思う、心身の不調はありますか?(パソコンや携帯電話の画面を見る1日の平均総時間別)
利用時間が長いほど、不調を訴える人の割合は増加していく。30分未満と5時間以上では実に3倍近くの差が出ている。ここまできれいな結果が出ると、心身の不調と利用時間の間には相関関係があると見ても良さそうだ。
●肩こり、目の渇き、頭痛……具体的症状は?
それでは具体的に、どのような体調不良の症状が出ているのだろうか。次のグラフは体調不良の経験者に限り、その具体的な病症を複数回答で尋ねた結果。「肩こり」が一番多く8割近くに達している。

↑ その心身の不調について、当てはまるものをすべて教えてください(体調不良経験者限定)
「肩こり」「腰痛」は長時間同じ姿勢をしていることによるもの、「目の渇き」は同じく長時間画面を直視しているのが原因。これらは直接的に身体の部位の酷使によるところが大きいから、それらの部位に優しい行動を取ればある程度解消は可能。
問題なのは「頭痛」「だるさ」「身体の緊張」「イライラ」など、直接的な部位の酷使とは関係なさそうな点、言い換えれば心理的な点でも多くの人が不調を訴えていること。身体的な部位の酷使が心理面にも大きな負荷を与えているのが要因だと思われるが、他人に分かってもらえない事が多い項目の不調なだけに、仕事の上でこれらを感じている人には辛い話となる。
これを先のグラフ同様に「パソコンや携帯電話の画面を見る1日の平均総時間別」に区分したのが次の図。元資料では「経験者限定」のデータが掲載されているが、回答者の具体的人数と上記データの各時間区分の総人数を元に「利用時間区分別における、構成員全体に占める割合」を算出。それをグラフにしたのが次の図。

↑ その心身の不調について、当てはまるものをすべて教えてください(パソコンや携帯電話の画面を見る1日の平均総時間別)
数字は雑多になるので省略したが、先のグラフ以上に「長時間利用するほど症状を訴える人が多い」状況が見て取れる。症状によっても違ってくるが、30分未満と5時間以上では「目の渇き」は3.7倍、「肩こり」は2.8倍もの差が生じている。
体調不良は作業の効率を低めるのはもちろん、長期間その状態が続くと心身に具体的なトラブルを生じる原因となる。効率を高めるためにパソコンや携帯電話を使っているのに、それらを無理に利用して身体を壊したのでは、身もフタも無い。
これらの症状、言い換えれば「自分自身のSOS信号」を受信したら、休憩を取るなり状況の改善を図る仕組みを取り入れるなど、対応策を打つことをお勧めしたい。
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