「え、誰が買ったの?」と思わず注目してしまう「ゴミ」の広告

2010/01/07 07:15

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「え、誰が買ったの?」と思わず注目してしまう「ゴミ」の広告イメージあまり行儀の良い話ではないが、ゴミ収集所にゲーム機やゲームソフトなど、自分が欲しいモノや興味あるものの空き箱が捨ててあると、つい目が行ってしまうもの。「あ、この近所でWii Fit買った人がいるのか」「先月発売されたばかりのあのケータイ、もうゲットしたのか……」など、その商品のイメージが頭に思い浮かぶ経験をしたことは、誰しも一度や二度ならずともあるはず。そんな人間の習性を利用し、ちょっとした工夫を凝らしてある商品の宣伝をした事例が【Ads of the World】で紹介されていた。発想の転換という点でも非常に優れたものなので、今回はこれにチェックを入れてみることにしよう。



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↑ 単なる空き箱、ゴミにも関わらず注目を集めるミニクーパーの「空き箱」。
↑ 単なる空き箱、ゴミにも関わらず注目を集めるミニクーパーの「空き箱」。

これは2009年の12月、クリスマスシーズンにオランダの首都アムステルダムで実施された広告。あちこちのゴミ収集所で、他のゴミに混ざる形で無造作に【ミニクーパー】の「空き箱」が置かれている。もちろん実際のミニクーパーはこんな箱で購入者の家に届けられるわけはないのだが、その空き箱を見た人は「え?」とまず驚き、そして「あの小さなミニクーパーだからもしかして」と想像し、いつの間にかその空き箱のとりこになってしまう。ましてや季節はクリスマス。「ひょっとしたらミニクーパーをクリスマスプレゼントにもらった人がいるのかしら。プレゼント用のラッピングも捨ててあることだし……」と、まるでテレビドラマのようなワンシーンを頭に思い描く。

もちろん空き箱そのものには「広告です」の類は一言も書かれていない。単に空き箱にそれっぽい壊れ方を施し、ラッピングと共に打ち捨てるという演出をしただけ。それでも行きかう人々は大いに注目することになる。元々ミニクーパーが小さい自動車ということもあり、「もしかしたら」という現実感を与えてくれるのもポイントが高い。

冒頭でも触れた人の習性と、商品そのものの特性(他の車に比べると小さい)、そして見た人に非現実的なシーンを頭にイメージさせるちょっとした演出が、結果としてうまく相乗効果を生み出し、多くの人の脳裏にミニクーパーという商品そのもの、そしてその小ささを印象付けさせることになる。

応用は効きにくい(類似事例が【ビールのハイネケン】で先行して行われているが、「小ささ」をイメージさせるという点では今件の方が優れている)のが難点だが、アイディアとしては大変素晴らしい広告手法といえるだろう。



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