現在もっとも投資魅力のある通貨は「オーストラリアドル」、「日本円」はむしろマイナスに
2010/01/07 12:10
【野村證券(8604)】の金融経済研究所は2010年1月5日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2009年12月計測分、PDF】)。それによると調査母体においてもっとも投資魅力のある通貨は「オーストラリアドル」であることが分かった。「日本円」は9つの選択肢の中では下から2番目で、人気の無い状態となっている。
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今調査は1000件を対象に2009年12月18日から21日に行われたもので、男女比は73.9対26.1。年齢層は40歳代がもっとも多く32.0%、ついで50歳代が22.6%、60歳以上が22.0%など。金融資産額は1000万円-3000万円がもっとも多く26.8%、500万円-1000万円が19.7%、100万円-300万円が24.0%と続いている。1銘柄あたりの保有期間は5年から10年未満がもっとも多く30.1%を占めている。次いで10年から20年未満が25.2%、20年以上が17.6%。投資に対し重要視する点は、概ね長期投資がもっとも多く45.3%と約半数を占めている。ついで配当や株主優待が24.2%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めている。
調査母体に各通貨に対する投資魅力について、「オーストラリアドル」「中国元」「ユーロ」「ブラジルレアル」「カナダドル」「イギリスポンド」「日本円」「アメリカドル」「その他通貨」の9つの選択肢を用意し、その中から「もっとも投資魅力のある通貨」「投資魅力があると思えない通貨」を1つずつ選択してもらった。そして「魅力的」から「魅力的に思えない」の得票割合を差し引き、魅力度DIを算出した結果が次のグラフ。もっとも高い値を示したのは「オーストラリアドル」で20.0となった。
↑ 各通貨に対する投資魅力DI(9選択肢から「最も投資魅力あり」「同無し」を一つずつ選択。あり-無しの%で算出)
「日本円」がマイナス値を示しているが、「魅力的」だけに限れば「オーストラリアドル」「中国元」に続く第三位の値(16.7%)。ただし「魅力的とは思えない」も22.4%と「アメリカドル」の40.6%に次ぐ大きな値を見せ、DI値としては低い結果となってしまっている。
「魅力がある」と判断された通貨がそのまま「実際の投資対象として優れている」とは限らないことに注意を払う必要があるが(競馬で倍率が一番低い馬が常に一番でゴールするとは限らないのと同じ)、投資スタンスを考える際の参考材料にはなるだろう。
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