主要国のPC経由のソーシャルメディア利用率と人数(16か国版)
2010/01/06 07:37


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元資料の【発表時のリリース】でも解説されているのだが、今データはパソコン経由のものであること、中国は言語などの問題があるので掲載されている数字そのものがすべて世界に向けた値ではないこと、日本の場合は携帯経由のソーシャルメディア利用者が多いため(今リリースでは34%以上となっている。イギリスの3%とは大きな違いだ)利用状況が的確に表現されていないなどに注意を払う必要がある。また、個人的な感想としては、値によってやや「?」マークを浮かべたくなるようなものもあるので、あくまでも他国との相対値、概算値レベルのものとして見れば良いだろう。
16か国を大きく「南北アメリカ」「ヨーロッパ」「ユーラシア・アジア」に三分した上で、まずは「南北アメリカ」を。

↑ Global Web Indexによる主要国のウェブサービス利用状況(パソコン経由のインターネット利用者に対する比率)(南北アメリカ)

↑ Global Web Indexによる主要国のウェブサービス利用状況(パソコン経由の人数、万人)(南北アメリカ)
絶対人数ではアメリカがトップを突っ走っているが、比率ではむしろブラジル・メキシコの方が高い。これは先の記事でも触れているが、比較的富裕層においてインターネットのインフラが浸透しているからなのだろう。それらの国で動画アップロードの割合が大きい(=携帯電話経由で直接アップロードする以外の、動画を撮影し掲載する環境を整えている)ことからもその推論を裏付けることもできる。
続いてヨーロッパ。

↑ Global Web Indexによる主要国のウェブサービス利用状況(パソコン経由のインターネット利用者に対する比率)(ヨーロッパ)

↑ Global Web Indexによる主要国のウェブサービス利用状況(パソコン経由の人数、万人)(ヨーロッパ)
他のエリアでもいえることだが、「SNSに参加している」と「写真をアップロードした」の比率がほぼ同じ。これは参加したSNSで写真を掲載していることを意味するものと判断してよい。先の南北アメリカと比べると、動画のアップロード率がやや低めかな、という感はある。絶対数ではイギリス・ドイツ・フランスの順だが、イタリアの利用率、特に動画やブログの高さは気になるところ。自己アピールが好きなのだろうか。なお実表で一部数字上のミスが見つかったので(スペイン。タイプミスと思われる)、今グラフではそれを修正してある。
最後にユーラシア・アジア地域。

↑ Global Web Indexによる主要国のウェブサービス利用状況(パソコン経由のインターネット利用者に対する比率)(ユーラシア・アジア)

↑ Global Web Indexによる主要国のウェブサービス利用状況(パソコン経由の人数、万人)(ユーラシア・アジア)
中国の破壊的な人数、日本は携帯電話を反映していない影響が色濃く出でいることは先の記事で伝えた通り。このようにアジア地域全体で見ると、アジア地域のブログ好きが改めて理解できよう。
さて、先に掲載した記事への反応の中に「日本だけ携帯電話の値が反映されていない影響が色濃く出ている。まさにガラパゴス状態だ」という、半ば自虐的な意見があった。考え方としてはそういうネガティブなものもありだろうが、個人的にはむしろ逆のような感がある。
南北アメリカの部分でさらりと触れているが、それなりの機能を持つ携帯電話を利用し、日本のように定額制が普及しているインフラを用意できれば、携帯電話一つで「写真や動画をアップロードし、SNSに参加し、自分のブログを書き、ツイッターなどを利用する」ことが可能となる。つまり自宅にインターネット回線を用意せず、高価なパソコンを買わず、難しい通信設定をしなくとも、ソーシャルメディアの世界を存分に堪能することができるようになるのだ。視点を変えれば「ガラパゴス」どころか「桃源郷」状態と考えることもできよう。実際、アフリカの各地域ではインターネット付きの携帯電話が使われることで、そのIT系機能を駆使し、生活が(良い意味で)一変してしまったという話をちらほら耳にする。
そう考えれば、日本の現状とてまんざら悪いものではないと思えるのだが、どうだろうか。
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