「手に取ったことがある」5割、「買った経験あり」3割強・電車内広告を見て影響された行動は?

2009/12/22 05:14

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電車と買い物イメージネットエイジアは2009年12月17日、電車内広告の広告効果に関する実態調査の結果を発表した。それによると調査母体において、電車内広告を見た後にとったことがある行動として、「商品は買っていないがその商品を手にとってみたり、立ち読みしたことがある」と回答した人は過半数に達していることが分かった。「購入した経験がある」人も3割強に達しており、電車内広告が商品アプローチのきっかけをもたらす成果をあげているのが確認できる。また「クチコミ(口コミ)」効果においては、男性よりも女性の方が高い値を見せているのも確認できる(【発表リリース】)。



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今調査は2009年12月2日から16日にかけて、 週1回以上「JR山手線」「JR中央線」「東京メトロ銀座線」のいずれかの電車に乗る「20歳-49歳」の男女を対象に、一都三県で携帯電話のインターネット経由にて行われたもの。回答数は1146人。男女比は602対544、年齢階層比は20代429人・30代438人・40代279人。

電車の中の広告は、企業全体のイメージ広告は別にしても、多くはサービスや商品を宣伝しているもの。広告を出した側としては、できれば見た後に商品に対する具体的な行動(資料請求、購入、他のメディアで詳細を確認、など)をしてほしいもの。

そこで電車の車内広告を見た後に、とったことがある行動について複数回答で尋ねたところ、半数以上の50.6%が「商品を買ったわけでは無いが、手にとってみたり立ち読みして確かめてみた」と回答していた。広告がきっかけで「さらに詳しい情報を知りたい」と思い、興味関心を高めたわけだ。

↑ 電車の車内広告を見た後にとったことがある行動(複数回答)
↑ 電車の車内広告を見た後にとったことがある行動(複数回答)

直接購入に至る経験をした人が1/3を超えているのも注目に値する。「見るたびに必ず購入する」わけではないが、一度なりとも経験がある人がこれだけいるとなれば、「やり方次第では非常に高い効果が期待できる」と考えるのも当然といえる。

また、最近の電車広告、さらには一般のポスターやテレビCMなどで良く見かける「-で検索してください」タイプの広告も27.3%の人が実施している。非ネット系の広告とネット上の情報を結びつける方法として多用されている「検索アプローチ」の効果はそれなりに発揮されているといことだろう。逆にQRコードの利用率は8.6%でしかなく、少々残念な気がする。

広告においては「印象深い広告を展開して興味関心をわかせ、気付きを与える」だけでなく、その広告を元に「いかに次のステップにお客予備軍を誘導するか」も重要になる。今調査項目に挙げられている「検索アプローチ」や「QRコード」、「インターネット上での情報提供」を積極的に、並行して行うことで、効果をさらに高めることができるはずだ。

口コミ効果はやはり女性が大きい
さて今調査部分では「手にとって・立ち読み-」や「商品購入」「検索キーワード」などに隠れてしまってはいるが、いわゆる「クチコミ(口コミ)効果」の大きさも忘れてはならない。見た本人の期待感・好奇心・購入意欲を満足させるだけならその人自身で終わってしまうが、クチコミで他人に情報が伝播された場合は、影響を受ける人数が2倍、3倍にも増えるからだ。

そこで今調査で、他人に情報を伝え得るもの3つの選択肢について性別・年齢階層別にデータを抽出してグラフ化したのが次の図。

↑ 電車の車内広告を見た後にとったことがある行動(複数回答)・・・クチコミ率の高さを見る
↑ 電車の車内広告を見た後にとったことがある行動(複数回答)・・・クチコミ率の高さを見る

「商品について」「広告自体について」そして「内容をブログなどインターネット上に乗せる行為」すべてにおいて、男性より女性の方が、そして若年層より中堅層の方が活発に行っているのが分かる。これは【女性の「クチコミ発信量」は男性の2倍、浸透スピードは3倍以上!?】【女性がクチコミ大好きな理由とは?】などで分析しているように、「男性よりも女性の方がクチコミ好き」な傾向が反映された結果といえる。若年層より中堅層の方が比率が高いのは、購買意欲・可処分所得、そして広告の内容そのものによるところだろうか。



電車内で車内広告に目を留める機会があったら、その広告の内容がどんな層をターゲットにしているのか、またその広告を見た後にどのような行動をするのを望んでいるのかについて、色々と考えながら見なおしてみるのも良いだろう。今までと違った視点で眺め直すことで、新たな「気付き」を得られるかもしれない。



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