男性66%・女性74%が「個人の自由だから結婚なんてしてもしなくても良い」

2009/12/10 12:00

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結婚イメージ内閣府は2009年12月7日、男女共同参画社会に関する世論調査の結果を発表した。それによると、「結婚は個人の自由だから、してもしなくてもどちらでも良い」という考えに対し、男性は66%・女性は74%が賛成の意向を示していることが分かった。世代別では若年層の方が賛成率が高いが、60代でも賛成派が5割を超えるなど、中堅層以降にも結婚離れの意識が進んでいることがうかがえる(【発表リリース】)。



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今調査は2009年10月1日から18日にかけて、調査員による個別面接聴取方式で20歳以上の男女に対して行われたもので、有効回答数は3240人。男女比は1510対1730で、年齢階層比は20代が319人・30代が473人・40代526人・50代617人・60代718人・70歳以上587人。

家庭生活等に関する意識に関する設問の中で、結婚観などにおいて、「結婚は個人の自由であるから、結婚してもしなくてもどちらでもよいか」という問いを設定。これに「賛成」「どちらかといえば賛成」「分からない」「どちらかといえば反対」「反対」の5つの選択肢から選んでもらったところ、全体では48.0%が「賛成」・22.0%が「どちらかといえば賛成」と答え、合わせて70%が賛成派の意を示す結果となった。

↑ 「結婚は個人の自由であるから、結婚してもしなくてもどちらでもよい」という考え方について
↑ 「結婚は個人の自由であるから、結婚してもしなくてもどちらでもよい」という考え方について

以前【「交際相手なんていらない」男性が思う理由は「一人でいるのが楽しい」。けど……】【男性より女性の方が婚活には消極的・理由は「一人が楽しい」「他に時間を使いたい」】などで、「結婚しない最大の理由は『一人でいるのが楽しい』」という話を挙げた。自分自身の話か、社会一般論的な話かの違いではあるが、20-30代で特に賛成派の値が大きいのは、自分自身に姿を重ねているからなのかもしれない。

また冒頭でも触れたが、歳を重ねても絶対数は減少するものの「個人の自由意思に任せる」のが多数派という状態は続き、70歳以上になってようやく「結婚は個人の自由意思云々では無く、出来る限りすべきである」との考えが多数を占めるようになる。

↑ 「結婚は個人の自由であるから、結婚してもしなくてもどちらでもよい」という考え方DI値(賛成:+2、どちらかというと賛成:+1、どちらかというと反対:-1、反対:-2)
↑ 「結婚は個人の自由であるから、結婚してもしなくてもどちらでもよい」という考え方DI値(賛成:+2、どちらかというと賛成:+1、どちらかというと反対:-1、反対:-2)

文化的な変化や経済上の問題もあり、結婚に対する認識も昔と違って変化を遂げているのだろう。あるいは遠因として【「お年寄りがいる家」のうち1/4・414万世帯は「一人きり」】でも触れているが、核家族化の進行が、「結婚が家系のつながりと継続をも意味する」という認識を薄くし、特に若年層における結婚観の変化を生みだしているのかもしれない。



ここからはやや余談になるが、元リリースには同様の調査項目の結果が(とびとびではあるが)1992年11月分以降から収録されている。「結婚に対する意識は時間の経過と共に変化してきたのか?」という疑問を持つ人も多いだろうから、ここにグラフ化してみることにする。

↑ 「結婚は個人の自由であるから、結婚してもしなくてもどちらでもよい」という考え方について(過去調査結果)
↑ 「結婚は個人の自由であるから、結婚してもしなくてもどちらでもよい」という考え方について(過去調査結果)

20年近く前の1992年11月の調査結果では賛成派が62.7%・反対派は31.0%。最新のデータと比べると賛成派は7.8%少ない。これだけを見ると「20年近くの間に8ポイントほど結婚への自由認識が広まったのか」と思えるかもしれないが、賛成派に限ればむしろ2002年7月の結果の方が高い(72.2%)など、一概に「時代の流れと共に増加している」とは言い難い。

↑ 「結婚は個人の自由であるから、結婚してもしなくてもどちらでもよい」という考え方DI値(賛成:+2、どちらかというと賛成:+1、どちらかというと反対:-1、反対:-2)(過去調査結果)
↑ 「結婚は個人の自由であるから、結婚してもしなくてもどちらでもよい」という考え方DI値(賛成:+2、どちらかというと賛成:+1、どちらかというと反対:-1、反対:-2)(過去調査結果)

本文中でも触れた「核家族化の進行が結婚観の変化を生みだしたのでは」という説を証明するには、少子化が顕著化し始めた1960年代以降のデータが必要になるが、さすがにそこまでは今件に関するものは用意されていない。しかし少なくとも派遣制度や昨今の不景気・可処分所得の問題と、結婚に対する認識とを結びつけるのは、やや難がありそうなことは確かではある。



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