【更新】子供がネットトラブルを起こしそうな場所、親はちゃんと把握して……ない!?
2009/12/09 17:05
フィルタリングサービスなどを行うネットスターは2009年11月25日、家庭でのインターネット利用実態調査の結果を発表した。それによると子供を持つ保護者から成る調査母体においては、子供がインターネット上(携帯電話経由含む)においてトラブルに巻き込まれやすいと考えている場所のトップには「学校裏サイト(など個人運営の掲示板)」がついた。ほぼ同数で「出会い系サイト」も高い値を示している。一方、最近ではそれ以外のコミュニティ系サイトでもリスクが増えているデータがあることを知らない保護者は8割を超しており、知らない保護者は全般的に「裏サイトや出会い系サイト以外ならリスクは低い」と考えている傾向があることも判明している(【発表リリース】)。
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今調査は2009年9月25日と26日にインターネット経由で、小学3・4年から高校生の子供を持つ保護者を対象に行われたもので、有効回答数は824人。子供の学年構成比は小学3・4年・小学5・6年、中学生・高校生で均等割り当て。男女比は1対1。保護者の年齢構成比は20代0.6%・30代33.3%・40代59.1%・50代6.7%・60代0.4%。調査はマクロミルが担当した。
子供がインターネットや携帯電話を介して色々な人と交流を持つことは、コミュニケーションの手段・窓口が広がることを意味する。それ自身は素晴らしいことであるが、適切な知識や決まりを知らないでアクセスするのは「航海図も羅針盤も持たずに大海原に出航する船」のようなもので、「座礁」したり「遭難」する可能性も多分に秘めている。十分な知識、経験を持たない子供達がインターネットに接触することに際し、保護者はどのような場所でリスクが高いと考えているのだろうか。複数回答で尋ねたところ、もっとも多い回答はいわゆる「学校裏サイト」で約3/4の保護者が「問題あり・ハイリスク」と考えていた。
↑ 子供達のネット関連トラブルはどのようなサイトで起きる事が多いと思うか(複数回答)
ほぼ同数で「出会い系サイト」が上位についており、この2つが「子供は触れてはいけない」と多くの保護者が考えていることになる。名前や運営内容からすれば、全くもって理解できる。
次いで「大規模匿名掲示板(2ch?)」「プロフ」「アダルトサイト」「ブログ」が並んでいるが、「アダルトサイト」以外は見た目は普通のインターネットサービスに過ぎない。ただし利用のされ方、関わる人によって、リスクは高くなる。いわば自動車のようなもので、通常利用する分には極めて便利だが、間違った使い方をすると「痛い目にあう」というものだ。
とはいえ、これらの結果を見ると、世間一般的なイメージからすれば「大人向け・ハイリスクと自称しているところを避ければ問題ないかな」と保護者が思うのも仕方ない。
●出会い系<非出会い系!?
ところで元資料では詳細な提示はないが、警察庁は2009年2月19日、【平成20年中のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について(PDF)】という広報資料を発表し、その中で「2008年中に出会い系サイトに関連して被害にあった児童は724人。一方、非出会い系サイトで被害にあった児童は792人となり、出会い系より非出会い系のサイトの方が数が多かった」と伝えている。前年の2008年の同様の資料(【平成19年中のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について】)では非出会い系に関する特別な言及は無く、この1、2年で大きな問題として警察庁が認識し始めたことが分かる。
↑ 2008年中の出会い系・非出会い系サイトに関連し、被害に遭った児童数(人数)(2009/2/19:警察庁発表)
このことについて認識している保護者は、調査母体中では14.8%にしか過ぎなかった。
↑ 警察庁の発表「2008年においては非出会い系サイトでの児童の被害数が出会い系サイトでの数を上回った」を知っていたか
イメージ的に「リスクが高いサイト」を避けていれば子供は大丈夫、と思っていた保護者には、ある意味衝撃的な数字ともいえる。そこで、この事を知っていた・知らなかったで区分した上で、上記の「子供達のネット関連トラブルはどのようなサイトで起きる事が多いと思うか」を尋ねた結果をグラフ化したところ、次のような結果となった。当然ながら「学校裏サイト」「出会い系サイト」以外への警戒心が薄い数字が出ている。
↑ 子供達のネット関連トラブルはどのようなサイトで起きる事が多いと思うか(複数回答)(警察庁の発表を知っていた/知らなかった別)
「アダルトサイト」はともかく、掲示板やブログ、プロフでも使い方次第・警戒心のある無しでは、やはり危険を伴う。先の自動車の例でなら、安全運転を心掛けて制限速度をしっかりと守っていても、事故は100%起きないわけではないということだ。
にもかかわらず、「よく言われている『裏サイト』『出会い系サイト』へのアクセスさえ気を付けていれば大丈夫ね」と考えていると、子供はもちろん保護者も痛い目に遭いかねない。子供を安全にネットの世界に触れさせるには、世間一般のイメージ「だけ」にとらわれることなく、保護者自身も色々な情報網を使って現状を学び取り、その上で子供にさとしていくことが求められるだろう。
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