「結婚しても子供は必要ない」20代・30代は6割に

2009/12/08 05:12

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親子イメージ内閣府は2009年12月7日、男女共同参画社会に関する世論調査の結果を発表した。それによると、20代・30代の約6割は「結婚しても必ずしも子供を持つ必要は無い」という考えに賛成の意を示していることが明らかになった。若年層ほどこの傾向は強く、子供を持つことにこだわらないという社会風潮を反映した結果となっている(【発表リリース】)。



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今調査は2009年10月1日から18日にかけて、調査員による個別面接聴取方式で20歳以上の男女に対して行われたもので、有効回答数は3240人。男女比は1510対1730で、年齢階層比は20代が319人・30代が473人・40代526人・50代617人・60代718人・70歳以上587人。

家庭生活などに関する意識への設問中、結婚観・家庭感などの意識において、「結婚しても相手に満足できないときは離婚すればよいか」という設問に賛成をした人は全体では22.5%・やや賛成の人は20.3%に達し、合わせて42.8%が賛成派だった。対して反対は22.8%・やや反対は30.1%となり、反対派は52.9%。やや反対派が多い結果となった。

↑ 「結婚しても必ずしも子供を持つ必要は無い」という考え方について
↑ 「結婚しても必ずしも子供を持つ必要は無い」という考え方について

男女別では男性はやや反対派は多く、女性の方は賛成派が多い。そして年齢階層別ではきれいな形で「若年層=賛成」「高齢層=反対」という形が出来上がっている。特に20-30代においては冒頭でも触れているように6割前後が賛成派に属しており、昨今の少子化という社会風潮・傾向を意識的な面から裏付ける結果となっている。

もう少し分かりやすくするために「賛成:2、どちらかというと賛成:1、どちらかというと反対:-1 、反対:-2」で数字を割り振ってDI値を算出したのが次のグラフ。プラスの値が大きいほど、賛成の意思が強いことを表す。

↑ 「結婚しても必ずしも子供を持つ必要は無い」という考え方についてのDI値(賛成:2、どちらかというと賛成:1、どちらかというと反対:-1 、反対:-2)
↑ 「結婚しても必ずしも子供を持つ必要は無い」という考え方についてのDI値(賛成:2、どちらかというと賛成:1、どちらかというと反対:-1 、反対:-2)

男女別でははっきりとプラス・マイナスに分かれているし、年齢階層別では40代までがプラス、それ以降はマイナスと区切りが出来ている。値も補助線にあるようなカーブを描いており、意識が次第に変わっていくようすが把握できる。

元資料では「なぜそう思うか」に関する設問が無いのでこのような意識の変化が生じているのか、特に若年層において「結婚しても必ずしも子供を持つ必要は無い」という意識が強いのかは分からない。ただし、「意識」として若年層の間にこのような考えがどちらかといえば多数を占めていることは認識しておく必要がある。



ちなみにこの「若年層での『結婚しても子供を持たなくても良い』的な考え」は昨日今日に始まった話では無い。過去の「男女共同参画社会に関する世論調査」のうち、同様の設問をして年齢階層別のデータが残っている一番古いもの(【2002年9月発表】)のデータを元に同様の方式でDI値を求め、今回のものと並べてみたのが次の図。

↑ 「結婚しても必ずしも子供を持つ必要は無い」という考え方についてのDI値(賛成:2、どちらかというと賛成:1、どちらかというと反対:-1 、反対:-2)(2002年9月データと2009年11月データ)
↑ 「結婚しても必ずしも子供を持つ必要は無い」という考え方についてのDI値(賛成:2、どちらかというと賛成:1、どちらかというと反対:-1 、反対:-2)(2002年9月データと2009年11月データ)

むしろ少なくとも7年前から同様の傾向は確認できていたことが分かる。女性・30代の意識の変化がやや顕著なのが気になるが、あるいはそのあたりに「7年」という月日の間に起きた、そして中長期における「結婚と子供に関する社会的意識」の変化の原因を解くカギがあるのかもしれない。



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