【更新】デパートマイナス、100円ショッププラス、それではアウトレットモールは? 小売店の利用動向

2009/12/11 05:33

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100円ショップイメージインターネット調査会社のクロス・マーケティングは2009年12月1日に、消費行動に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、1年前と比べて3割強の人が「デパートや百貨店の利用を減らしている」と答えていることが分かった。100円ショップなど低価格の品ぞろえが豊富な店舗への利用機会が増加する一方、一時期流行ったショッピングモールやアウトレットモールへの利用性向は大きく減少する傾向を見せている([発表リリース、PDF])。



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今調査は2009年11月9日から10日にかけて、20-69歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。年齢階層比は20代-60代でほぼ均等割り当て、男女比は1対1。なお今調査は2009年2月から3か月毎に実施されており、今回が4回目となる。

当サイトではコンビニやデパートなど主要小売業の業界単位での月次業績を、定期的にレポートしている(【一覧ページ】)。これらのレポートを読み解く限り、小売業はいずれも厳しい状況にあることに違いは無い。そこで今調査結果の「1年前と比較した商品購入・サービス利用の増減」のうち、小売系の項目を抽出してまとめてみたところ、各業界の状況がよく表れている結果となった。

↑ 1年前と比較した商品購入・サービス利用の増減(小売系)
↑ 1年前と比較した商品購入・サービス利用の増減(小売系)

全般的に「変わらない」が7割前後を維持している。この一年間、突然好景気から不景気に、またその逆になったわけではないから、店の利用頻度はそう劇的に変わったわけではないということだろう。その一方、「増えた」「減った」を見ると、微妙に数字の違いが出ており、各業種の動向が見えて興味深い。

ぱっと見で気が付くのは「スーパーマーケット」「100円ショップ」の青色部分の多さと、「デパート・百貨店」「ショッピングモール」「アウトレットモール」の赤部分の多さ。それぞれは「増えた」「減った」を意味するので、前者は躍進・後者は軟調な状態にあることになる。

いつものように、「増えた」から「減った」を引いて算出したDI値をグラフにすると、そのようすがよく分かる。

↑ 1年前と比較した商品購入・サービス利用(小売系)DI値
↑ 1年前と比較した商品購入・サービス利用(小売系)DI値


目に留まるのは「デパート・百貨店」のマイナス値の大きさ。いずれまた別のところで触れることになるが、これでもまだ以前のデータと比べればやや持ち直している。逆にいえば持ち直してこの値なのだから、デパートや百貨店はまだまだ努力をすべき立ち位置にあることが分かる。

一方、そのデパートや百貨店のライバルとしてよく語られていた(【デパート不調のもう一つの理由・アウトレットモールの魅力を探る】)「アウトレットモール」「ショッピングモール」も、下げ幅は非常に大きい。いずれも旬が過ぎてしまったということなのだろう。

プラスを示しているものを見ると、「100円ショップ」と共に「スーパーマーケット」が目に留まる。チェーンストアの売上月次レポートでも、食材系部門は比較的堅調な値を示している。今件の数字は「衣料品や住関品などの不調さ」を考慮しない、「とにかくスーパーに足を運んだか否か(つまり食料品「だけ」)を買う場合もOK」なので、このような値が出たと考えれば合点がいく。チェーンストアの業界月次報告では売上高しか公開されていないが、あるいは来客数は横ばい、あるいは微増の状態にあるのかもしれない。



今後もデフレの継続、あるいは進行で、価格競争はますます激化していく。本文中では触れなかったが、「コンビニ」もタスポ効果の反動で大きなマイナス値を示している。単に「安ければよい」では他の業種・店舗と何ら違いは無く、新しく値を下げた店にいくメリットは無い。現在大きくマイナスを示している業態においては、「その店に足を運ばねばならない何か」を創意工夫で見出だし、セールスポイントにする必要があるだろう。



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