【更新】去年と比べて減った人は約4割……高齢者ほど厳しいおこづかい事情

2009/12/08 05:11

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こづかい減少イメージインターネット調査会社のクロス・マーケティングが2009年12月1日に発表した消費行動に関する調査結果によると、調査母体においては1年前と比較しておこづかいが減った人は4割に達していることが分かった。20代では減少率はやや少なめだが、歳を経るにつれて減少した人の割合は増加する傾向にあり、高齢者ほど厳しいおこづかい事情であることが推定される結果となっている([発表リリース、PDF])。



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今調査は2009年11月9日から10日にかけて、20-69歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。年齢階層比は20代-60代でほぼ均等割り当て、男女比は1対1。なお今調査は2009年2月から3か月毎に実施されており、今回が4回目となる。

一人住まい・世帯持ち・子供のいるなしなどにより、おこづかいの基準はそれぞれ異なってくる。それらを全部包括した、調査母体全体としてのおこづかい事情について、1年前と比べて増えたか減ったかを聞いた答えをまとめたのが、次のグラフ。全体では「増えた」人は6.7%に過ぎず、「減った」人は40.4%にも達している。

↑ 1年前と比較したおこづかいの増減(性別・年齢階層別)
↑ 1年前と比較したおこづかいの増減(性別・年齢階層別)

冒頭でも触れているが、男女とも20代は「増えた」人の割合が若干高い。これは会社での昇給が若いうちは比較的容易であること、また昨年は学生で今年に入って就職し、自分で采配できるお金の量が増えたことなどが原因と思われる。

しかし歳を経るにつれて「増えた」割合は減少する。「減った」は一定の法則が無くばらばらだが、どちらかといえば男女とも50-60代においてやや高めの傾向。これは今回はグラフ化・解析を略するが、全般的に「高齢者ほど給与所得が減る傾向が強い」ことを起因としている。手取りが少なくなれば、自分のこづかいも減らさねばならないということだ。

「高齢者ほどおこづかいが減る傾向」は、いわゆるDI値(「増えた」-「減った」)を算出すると良く分かる。

↑ 1年前と比較したおこづかいDI値
↑ 1年前と比較したおこづかいDI値

性別では男性より女性、年齢階層別では若年層より高齢層の方が、多くの人がこづかい減少を体験していることになる。おこづかいの減少は趣味趣向にかける費用の減少など、娯楽・ストレス解消の面でも大きなマイナス要素となる。ストレスの増加が気になるところではある。

ちなみに「給与所得が増えた・減った」別の、おこづかいの増減について尋ねた結果を挙げて置く。給与所得とおこづかいの相関関係(というより因果関係に近い)がよく分かるはずだ。

↑ 1年前と比較したおこづかいの増減(給与所得が増えた・減った別)
↑ 1年前と比較したおこづかいの増減(給与所得が増えた・減った別)

給与所得が増えているにも関わらずおこづかいを減らした・減った人が12.6%もいることに着目してほしい。それだけ「守り」の姿勢を固めている人が多いのだろう。

景気回復、特に内需拡大には個々の消費増加が不可欠の要素となる。その財源の少なからぬ部分は一人ひとりの「おこづかい」。景気回復には手取りの増加はもちろんだが、それと同じくらい、個人ベースでの消費マインドを温める必要があるのかもしれない。



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