個人のインターネット利用率の推移
2009/12/05 18:14
以前、【4大既存メディア最大の「敵」は携帯電話にあらず】で2008年における「2008年情報通信白書」を元にした記事を掲載したところ、先日この記事に関する問い合わせがあった。その問い合わせの内容を調べていく過程で【60代が区分線!? 年齢階層別インターネット利用率】などで利用した「情報通信白書」の元データのいくつかが【通信利用動向調査】の、主に【世帯編】から取得されていることが改めて確認できた。せっかくなのでこのデータを過去にさかのぼって取り集めてグラフ化し、インターネットなどの普及率の推移を見渡してみることにした。今回はそのうち、「個人のインターネット利用率の推移」をグラフ化してみることにする。
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元データは上記に示した通りだが、調査方法は毎年大体同じ。例えば最新の2008年版については、2009年1月に「2008年4月1日時点で全国20歳以上の世帯構成員がいる世帯」に対して行われており、6256世帯が対象となっている(人、ではないことに注意)。郵送による調査票の送付・回収、報告者自記入によるもので、インターネットや携帯電話による調査方法ではないので、今設問のような場合における偏りは無い。回答率は72.2%、世帯主階層は20代3.1%・30代13.4%・40代23.9%・50代31.7%・60歳以上27.9%。
まずは最新データにおける年齢階層別インターネット普及率。要は先の記事【60代が区分線!? 年齢階層別インターネット利用率】とほぼ同じ。過去1年間に、インターネットを利用したことがある者を対象として行ったもので、インターネット接続機器については、パソコン、携帯電話・PHS、携帯情報端末、ゲーム機等あらゆるものを含み(当該機器を所有しているか否かは問わない)、利用目的などについても、個人的な利用、仕事上の利用、学校での利用等あらゆるものを含んでいる。
2008年末における個人のインターネット利用率
これについてデータが確認できる2001年以降のものをまとめ、その推移を示したのが次のグラフ。
個人のインターネット利用率推移
普段から言われているように、30-40代までの若年層-中堅層までが高い利用率を示しているのに対し、定年世代の60歳以降は低めの傾向にある(6-12歳が低めなのは仕方がない)。
気になるのは他の年齢層が順当に利用率が上がっているのに対し、65歳以上の層において減少・停滞傾向が見られること。元々調査母体におけるこれらの年齢層の人数が少ないために「ぶれ」が生じている可能性は否定できないが、やや残念な感は否めない。もっとも視力などの衰えを考えれば、それも仕方がないのかもしれないが。
【高齢者もケータイでネット世界にダイブする】でも解説しているが、インターネットにアクセスするという観点では、携帯電話はパソコンと比べて非常に窓口が広い。企業側も高齢者向けに配慮をした端末をもっと積極的に開発・展開して欲しいし、当事者たちも果敢にアタックしてほしいものである。
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