子供の成長と共に父・子が過ごす時間は長くなる? 短くなる!?
2009/12/07 07:02
厚生労働省は2009年11月30日、第7回21世紀出生児縦断調査結果の概要を発表した。それによると調査母体の現在小学1年生(7歳)の子供において、登校日(平日)に父親と過ごす時間は「2-4時間未満」という回答層がもっとも多い割合であることが分かった。平均では1時間45分ほど過ごしている計算になる。一方、過去のデータと比べると、調査回数を経るごとに時間は減少する傾向にあり、子供の成長と共に平日の父子の接触時間は短くなることが見て取れる(【発表リリース】)。
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今調査は2001年1月10日-17日・7月10日-17日(つまり21世紀初頭)に生まれた子供を定点観測し(各年同一客体を調査対象としている)、経年変化を継続調査して少子化対策などの企画立案や実施のための基礎資料を得ることを目的として行われているもの。今回は7回目で、7歳になった月(2008年の1月と7月)に実施された。調査方式は調査票の配布・回収共に郵送による。有効回答数は4万0598件。
平日に父親と一緒に過ごす時間について、今調査の結果においては「2-4時間未満」の層がもっとも多く25.3%を占めていた。次いで「1-2時間未満」が23.0%、「30分未満」が22.8%の順となっている。
平日に父と一緒に過ごす時間の変化
過去の調査のうち今項目が問われている第2回・第5回の結果が併記されているが、これを見るといわゆるボリュームゾーンである「1-2時間未満」「2-4時間未満」を境目に、左側=短時間の割合が増え、右側=長時間の割合が増えていることが分かる。このグラフの形状だけでも、「調査回数を重ねる毎に、過ごす時間は減っている」ことが把握できる。
そこで各調査回における平均値(各時間帯の中央値を利用)を算出し、グラフ化したのが次の図。5年間のうちに約27分ほど、平日での接触時間が減少したのが確認できる。
平日に父と一緒に過ごす時間の変化(平均値、分)
これは単純に「5年の間に世間一般の親子関係が疎遠になった」ことを意味しない。今調査は同一母体を継続的に調査しており、対象となる子供は時間の経過と共に成長しているからだ。冒頭でも触れているように、むしろ「子供の成長と共に、平日の父子が一緒に過ごす時間は減っている」と見てよいだろう。その理由は色々と考えられるが、「子供が成長したことにより世話をかけなくても良くなった・家にいない時間が増えた(幼稚園・保育園・小学校)」「父親が出世したり任される仕事が増え、帰宅時間が遅くなった」などが代表的な事由といえる。
なおグラフ化は略するが、「父親の帰宅時間と、父子が一緒に過ごす時間」にはやはり深い関係がある。帰宅時間が遅いほど、一緒の時間も短くなる。仕事などで多忙になることから仕方ないのかもしれないが、平日から親子の触れ合いについて考えているのなら、少しでも帰宅時間を早めるのが望ましいといえよう。
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